タイタス・クロウの帰還―タイタス・クロウ・サーガ (創元推理文庫)

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レビュー : 10
d3-plusさん 文芸   読み終わった 

タイタス・クロウサーガの最新刊です。と言っても本国では1975年に発表されたものなのですが。作者は御大H.P.Lの生まれ変わりと呼ばれる(H.P.L没後9ヶ月後に誕生している)、ブライアン・ラムレイ。

一般にラヴクラフトサークルの作は、徒にCCD(旧支配者群)と人類との対決を重視し、おおむね人類が勝利しちゃったりする、という構図になっており、そこがラヴクラフト原作原理主義者には違和感を覚える元になっています。ラムレイの他作もまさにその構図を取っているのですが、今作ではその構図をほとんどぶん投げて、夢(≒悪夢)と希望(≒妄想)にこそ主眼をおいています。
未読の方の為に詳細は伏せますが、ぎこちなくも冗長な導入中盤部から、突然の断片的な手記形式の独白による後半への暴走、投げっぱなしジャーマンが如き大団円。その加速するドライブ感、読者置いてきぼり感は、まさに正調クトゥルー神話大系と呼べる内容。正直、小説的結構には難有りなのですが、前述の原典怪奇でなくて原点回帰な姿勢も含めて、むしろそこがまた良し、的な。

最低限、創元文庫の「ラブクラフト全集」を読破。できれば国書刊行会の「定本ラヴクラフト全集」、または「真ク・リトル・リトル神話大系」までを網羅されていれば、十二分に楽しむことが出来る一冊だと思います。
「超時間の影」「銀の鍵の門を越えて」あたりをお好きな方には、バッチリオススメでき…


いや!そんな!あの手は何だ!

窓に!窓に!


(編者注:手記はここで中絶。仕事を残したまま筆者は失踪している。)

レビュー投稿日
2012年3月9日
読了日
-
本棚登録日
2012年3月9日
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