文学賞、とくに直木賞選考の舞台裏が詳しくは描かれていて、興味深く読んだ。伏線回収なども尽く決まっている。しかし、それらだけでは小説として成り立たない。そこで、テーマとして、ソウルメイトなどのことばもあるけれど、そういう昵懇、腹心、一心同体の相手とのあいだにも礼儀はあるかどうかが問われていた。もちろん答えは"ある"。個人の意思が尊重されないと、人権の観念も成立しない自分は作家ではない。それでも、個としての独立を失ってまで世間に認められたくないという自我は、大事にしたいと思った。
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- 感想投稿日 : 2025年1月23日
- 読了日 : 2025年1月23日
- 本棚登録日 : 2025年1月18日
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