怪奇小説集 蜘蛛 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2021年8月24日発売)
3.35
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本棚登録 : 165
感想 : 15
4

注! 一部ネタバレ



★4つは相当おまけ(^^ゞ
今の基準に照らすならば、3つくらいが適当だろうw

にも関わらず4つにしたのは、この時点ですでに現在の「実話怪談」と呼ばれるものの原型のほとんどが出来上がっているように感じたから。
もちろん、某出版社から出ている「実話怪談」のように、実話怪談好きの実話怪談好きによる実話怪談好きのための「実話怪談」みたいな非現実的な怖さはない。
ていうか、どれもたいして怖くない(爆)

ただ、この本には「実話怪談」ではない、「誰かが体験した怪談って、おそらくこんな感じだろうなぁー」と納得出来る良さがあるように思う。
例えば、「時計は12時に止まる」の冒頭にある、“最近、某誌に載った東京下町の幽霊屋敷なども、実際に調べてみると、近所の人はそんな話は知らないと言う”なんて、実際はそういうものだろうなぁーって。
そういう、“クスッと笑える、程良い怖さ”がいいんだと思う。

そんな程良い怖さで、今となってはやや陳腐とも思える話ばかりのこの本だが、唯一「霧の中」という話はよかった。
予言めいた夢を見ることに悩む女性の話なのだが、ミョーに展開が読めないところが面白い。
唐突なラストも、短編ならむしろこれでいいんだろうと。

ていうか、これ。
確か、講談社文庫版は読んだはずなのに、一切憶えてなかったのはなぜなねだろう?(^^ゞ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月29日
読了日 : -
本棚登録日 : 2023年1月29日

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