ポテトサラダ (ジュニア文学館)

  • 学研教育出版 (2012年7月3日発売)
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感想 : 4
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商店街のお肉屋さんのポテトサラダを通して結ばれる、店主の老夫妻と少年の心温まるストーリー。

と、説明してしまえば「ありがち」ですが、はい、ありがちで単純明快なストーリーです。予定調和で、ほぼ予想通りの展開なので、特に新鮮さは感じません。

ぬいぐるみのブタが語り手というのも、少年が入院するのも、おじいちゃんがむっとした顔をしているのも、おばあちゃんがしっかり者なのも、大きなスーパーに商店街の小さなお店が太刀打ちできないのも、どこかですでに目にしている。

じゃあ、つまらないかといえば、そうでもないのです。
それは、著者自身の経験がベースになったお話で、理想に走りすぎていないから。
一見ハッピーエンドに見えますが、「めでたしめでたし」と着地していないところがポイントかも。その後どうなるかはわからないけどねって感じの終わり方。
ありがちだけど、いかにも作りました、とはちょっと違う。

読み終えた後に、何でも揃う大きなスーパーじゃなくて、街中の、ちょっと寂れた商店街の、個人店に行ってみたくなります。

お肉屋さんの作る、垢抜けないけれど懐かしい味わいのポテサラが食べたくなります。

そこに、素敵なおじいちゃんやおばあちゃんがいるかはわからないけれど、小さなお店には、小さなお店の魅力があることを思い出します。

そういえば、私が好きな街は、商店街が元気な街だなあ。
谷中、西荻、江古田・・・都内の、住人が多い街に限られますが、商店街が元気な街では、若い方が小商いを始めることが多い気がします。

そんなことまで思い起こさせてくれる本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館で借りた
感想投稿日 : 2014年9月3日
読了日 : 2014年9月2日
本棚登録日 : 2014年9月3日

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