アラビア物語 ジュハーおじさんのお話 (II) (講談社青い鳥文庫)

  • 講談社 (1989年1月1日発売)
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4

第二巻は「ジュハーおじさん」が語るユーモアと教訓に満ちた物語集。アッラーへの信仰による智慧と勇気が光る。

7世紀の実在の人物であるジュハーおじさんは、日本でいえば一休さんのような存在であるという。トンチのきいたわらい話がいくつも残っているばかりか、後世になって彼の名前で創作もされているとか。本巻にはジュハーおじさんが主人公の話や彼が子どもたちに語って聞かせるというていの話が9編収録されている。

冒険やロマンスが目立った一巻に比べ、二巻はトンチ話や教訓話、悪いやつが懲らしめられるといった話が多い。それらがあまり堅苦しいものではなく、ユーモラスに語られるのがジュハーおじさんならではの特徴なのだろう。

一番面白かったのが最後の<チグリス川のワニ>。数奇な展開がよくできていて、主人公とヒロインの智慧ある行動がお見事。爽快なラストに舌を巻いた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年4月28日
読了日 : 2022年4月28日
本棚登録日 : 2022年2月4日

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