情動はこうしてつくられる──脳の隠れた働きと構成主義的情動理論

  • 紀伊國屋書店 (2019年10月31日発売)
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まだ途中ながら。

ここで言う情動はemotionであり、affectはfeelingとほぼ同義らしく(訳者が著者に確認済)気分と訳されてます。
情動(emotion)は生得的ではない。情動は身体と外界の相互作用により生まれた知覚である。知覚は前提に意識、認知作用が働いて生まれていると考えている。さらにその認知作用の一つに情動概念があり、個々の刺激要素(インスタンス)により動的に情動概念は生成される。その情動概念を持った上で人は、情動を脳の判断する予測として持つ。(悲しむべき出来事に直面した時は、悲しい出来事の中でも類似する出来事を思い出し(=情動概念として動的に生成される)、その時のインスタンス(周りの反応、自分の社会的・家庭内地位等々)に応じ、そのケースに合った情動を生成する。。)

現代の脳科学、神経科学、心理学等の知見から、ダマシオのソマティック・マーカー仮説も古典的情動理論として乗り越えようとしているようです。そして以前に読んだ「新記号論」(ゲンロン 石田英敬・東浩紀著)にあった、石田式情動の捉え方、フロイト的意識の形成、スピノザの言う情動(affect)、心身二元論との新たな繋げ方として捉えると面白そうです。

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感想投稿日 : 2021年1月30日
本棚登録日 : 2020年11月12日

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