メアリ・ウェストマコット名義で発表されたロマンス小説第2弾。
アガサ・クリスティ自身とも重なると思われる恋愛と破局の物語。
個人的には前作の「愛の旋律」のような起伏の激しいストーリーの方が好みなので、ほぼ1人語りの筆致で進められるある意味平凡ともいえる展開は少し疲れた。
ただ、恋愛中だったり結婚している方には共感して読める部分もあるのかも…

2011年5月8日

「あなたは幸せ?でないならパーカー・パイン氏に相談を」
という新聞広告に引き寄せられていろいろな不幸を抱えた人々がパーカー・パイン氏の元を訪れる短編集。
日常的な問題が多くて身近な感じがよい。
ただ、後半パイン氏が旅行に出てしまい、魅力的なスタッフが登場しなくなったのが残念。

2011年4月23日

ネタバレ

ちょいと前に読み終わっていたけれど、その衝撃はいまだ冷めやらず。
天才とは恐ろしいものだ。
才能はその人自身だけでなく、周りも食い尽くさずにはいられない。
なにもかも全てが才能の奴隷や生贄になってしまう。
しかし、そんな物語を戦慄する思いで読みつつ、どうしようもなく惹きつけられた結果、ボリュームがあるのにもかかわらず一晩で読んでしまった。
自分がこういうストーリーにこんなにも魅了されるとは思わなかった。

初期のクリスティによくある若い男女の冒険物プラスちょっぴりロマンス(笑)
謎の一言をきっかけに、どんどん事件に深入りしていく彼らの冒険心が初々しくていい。
トミー&タペンスを彷彿とさせる。
また、謎のエヴァンスが意外なところに!というのも面白かった。

2011年4月16日

金歯の話で以前読んだことがあったと気づき、なんだか興醒めしてしまった。失敗失敗…
読んだことがないと思って読むのと読んだことがあると思って読むのはそれぞれ違う楽しみがあるんだけど、読んだことないと思ってて読んだことあるって気づくとなんだかガッカリ…。
ストーリーはそれなりに面白いのだが。
でも、最後に犯人の独白があるってパターンはあまり好きじゃい。
言い訳めいていて。

エミリー・トレファシスがいろんな手を使って「お願い」をするのがズルくて、でも可愛いから許されちゃう(笑)
トリックとしては今でも通用するとは言えないけれど、それでも読めちゃうから、やっぱりアガサ・クリスティだなあ、と。

マープルが初めて長編で活躍するのがこの「牧師館の殺人」。
しかし、短編集の「火曜クラブ」は別にして長編ものにはその後十数年も姿を見せなかった。
著者自身がそこまでマープルに感情移入できていなかったからなのかもしれない。
この作品ではどうもマープルの魅力が描き切れていないように感じるのだ。
「火曜クラブ」は短編であるからか、その点非常に楽しめる。

しかし、やはりこの作品はマープルが並みの田舎の老嬢ではなかったことを示す一作なのだ。

2011年4月3日

バトル警視が登場するが彼は元締め的な印象で、この話は若者達が良きにつけ悪しきにつけ活躍する。
中でも「チムニーズ館の秘密」にもバトル警視と共に登場したバンドルというあだ名の女の子がとにかく生気に溢れ活き活きとしていて素敵。
そのせいで危ないめにも合うのだが(笑)

〈セブン・ダイヤルズ・クラブ〉とはいかなる組織なのか。
連続して若者達をおそった事件との関係は?
真犯人は?

気軽にわくわくしながら楽しめる冒険ミステリ。

世話をしていた老婦人が亡くなりその遺産を相続することになったキャサリン・グレイ。
これをきっかけに都会へ出ようとブルー・トレインに乗り込むが、まさに彼女の人生を変える事件がそのブルー・トレインの中で起こったのだ。

なんて劇的な書き方をしてみたりして(笑)
キャサリン・グレイがどれくらい素敵な女性なのか実物を拝みたい気持ちになる。
グレイの瞳をのぞいてみたくなる。

ポアロおじさんも一役買ってめでたしめでたしとなるのだけど(被害者にとっては当てはまらないが…)、キャサリンの今後の幸せを、そしてレノックスにも幸せが訪れるように願わずにはいられない気分で本を閉じた。

これはオチありきという小説ではあるけれど、再読にも十分耐えうる作品だと思う。
「やられた!」「くそっ!」と思わないではないけど(笑)
2度目3度目は犯人や犯人に向けるポアロの言葉、その周囲の人達の反応など細かいところも楽しんで読める。

私は肯定派です。

ポアロの短編集。ヘイスティングズとの会話がおもしろい。
謎も複雑でなく気軽に楽しめる。
事件もいっぱいあるし。

解説でポアロはどーも好かれないキャラとおっしゃってるけど、私はポアロ好きだよ。

クリスティ初期の冒険ミステリ。美男美女に陰謀、殺人、王政復古を狙う一派に共和制支持派、そこに利権が絡むなど、あれこれてんこもりで面白かった。
ヨーロッパの歴史を知ってるともっと楽しめたんだろうな…と解説を読んで反省しました(汗)

2011年3月28日

クリスティの冒険小説。
主人公の若い女性の無鉄砲さが魅力なんだけど、ほんとにハラハラする(笑)
それだけ読み手が歳取ったということか…。
冒険小説は気軽に楽しめてよろしです。

2011年3月21日

再読。
これはさすがに犯人やトリックは覚えていた。たまには私の記憶力も捨てたもんじゃないと(笑)

でも、ヘイスティングズのロマンスがほほえましくて最後まで楽しく読めた。

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