ゆかい食堂セレクション お肉編 (星海社C)

  • 講談社 (2015年5月9日発売)
3.43
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本棚登録 : 34
感想 : 1
5

グルメサイト「マカロニ」と作者の公式サイトに掲載されたものの中から肉料理を抜粋してのグルメレポート漫画。

書店で見かけた時、どこかで見たような表紙のカエル(作者の仮の姿)が妙に気になり同時発売された「ゆかいなお役所ごはん」共に購入。

読んでみると他のキャラクターもどこかで見たような事がある。
記憶の糸を手繰ってみると……
あっ!これは杉浦茂画伯の絵に似ている!
本を読む手を止め色々と調べてみると……作者は杉浦画伯のファンである事が判明。
水木しげる大先生風の絵によるラノベコミックがあるが杉浦画伯風の絵でグルメレポート漫画とは‼
意外な組み合わせとも思えるが、杉浦画伯の作品にはコロッケ五円のすけ、くしカツ十円のじょう、シューマイこぞうといったキャラクター名やカレーライス、カツ丼、あんみつ、大福等のB級グルメが頻繁に登場するのでこれはアリだ。
大アリ。
ありくい魔人アリガバリ。

作者は大阪在住なので登場するのは関西の店がメイン。
一回が4ページなので細かい情報(例えばサラダバーにはどんな野菜があるのかとか)が書かれていないのが残念。
どちらかというとグルメレポート漫画というより何処に行って何を食べて来たというグルメ漫画日記の感じが強いかな?
強いかなミロ。(強い子のミロ)
黄金聖闘士 スコーピオンのミロ。

紹介されている料理で気になったのは3品。
まず、麺の上におぼろ昆布、油かす、水菜、生の牛肉がのっていて別添えの出汁をかけて食べるという大阪吹田市の松坂牛麺。
きっと、おぼろ昆布と油かすが旨味とコクを与えた熱々の出汁にしゃぶしゃぶ状態の牛肉と麺が絡んで……旨いんだろうなぁ。
イヤ、旨いに決まってる‼
決まってるてる坊主。
サイドメニューにごはんとガーリックライスがあるとの事だが、残った出汁にごはんを入れて食べたら……これも間違いなく旨いとみた。
三田佳子。
三田寛子。
三田村邦彦。

二つ目は中津のとり天ぶっかけうどん。
とり天は九州の物産展で買って以来好きになった食べ物。
唐揚げとは違った味わいのとり天(それもあげたての!)が冷たいぶっかけうどんの上にのっているなんて‼
考えただけでもたまらん‼
たまランボー怒りの脱出。

三つ目は大阪駅前第2ビル地下のトンテキ定食。
いかにも肉‼っていうイメージでがっつり食べたいとなるとトンテキしかない‼
ビフテキやポークソテーもあるけどあれはちょっと上品すぎる。
ごはんのおかずにするならトンテキが一番‼
トンテキ、最適。
トンテキ(トン吉)、チン平、カン太。

勿論、それ以外の料理も魅力的だがこの本の最大の魅力というか見処はなんといっても料理を食べているシーン。
ハフ、むしゃ うっうーっ、うし うしっ、うまうまっ、はぐっほっふ といった擬音とともに汗をかき口いっぱいほおばるところが毎回描かれる(構図は殆ど同じだけど)のだが、これがもう食べている‼ってのが伝わってきて凄く良い。
最近のグルメ漫画には口にいれて恍惚の表情を浮かべたりするものもあるがこの作品の食べているシーンの前ではそんな表現など(全ての作品がそうとは言わないが)あざとく見えてしまう。
……なんてちょっと言い過ぎか?
いや、言い過ぎだ。
言い過ぎた。
言い杉田かおる。

けど、そう思わせる程この作品の食べているシーンは良いのだ。
良いのだコーヒ(イノダコーヒ)。

グルメレポート漫画でありながら料理の紹介は当然の事ながらそれ以上に食事のシーンでそそられる作品である。

今回は肉料理編のみの単行本(一品だけはしやすめとしてアサイーボウルを紹介)だが他の料理編も単行本化してほしい‼
ほしいの王子さま(星の王子さま)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: グルメ
感想投稿日 : 2015年7月2日
読了日 : 2015年5月10日
本棚登録日 : 2015年7月2日

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