古い。それが数ページめくっての感想だったが、読み終わった総評もほぼ変わらない。1985年当時の世相とは、こんなにもゴリゴリのマッチョイズムだったのかと知るための、歴史資料として扱った方がいっそ適切に思う。著者の本はこれで2冊目の読了なので、今後令和に向かっての変遷に期待している。
期待する点としては、大きく二つある。神経症なやつ、ヒステリーなやつは○○だからダメなのだと言い切っているのに、救済の道筋が十分に書かれていない点が一つ。どうしてダメかを熱心に書かれるならば、ぜひどうしたらよいのかも提言いただきたい。失礼ながら、ダメ出しなら誰にでもできる。
もうひとつは、何にでも「こういう人は〜であろう(だからダメなのだというニュアンスを含む)」と断定的に論じられる点。「(神経症の人は)何でも決めつけるから良くない」と書かれているのに、矛盾を感じた。
そもそも研究の成果ではなく、ご自身が見聞きした一例を以て断定されるのは、当時の著者に少なからぬ偏見があったのではとも受け取れる。
もちろん、後半には今の時代にも活きるであろう提言は載っている。全体として、8割がた誰かの悪口を聞かされたような読後感が期待外れだったため、この評価とレビューとした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年7月23日
- 読了日 : 2023年7月23日
- 本棚登録日 : 2023年7月23日
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