自分好みの世界観で一気読み、と言いたい面白さだったが、正確には三気読みでした。
地球外生命体(未知なるもの)が地球に寄生したことで、地上にはプーニーが出現。
プーニーは牛乳プリンのような謎の生物で、突発的に増殖する。動物が誤って取り込むと、その動物もプーニー化、抵抗値の低い人間だと近づくだけで拒否反応を起こし死に至る。抵抗値の高い人間は国にスカウトされ、プーニー災害の救助活動を行なっていた。
(未知なるもの)は大きなクラゲのような姿をしており、地球の大気圏上に張り付いているが、異次元の存在であるため物理攻撃は効かない。しかし、人類は研究の末、(未知なるもの)の核近くに取り込まれている人間、鈴上誠一を発見、想念の異界(鈴上の精神世界の様な所)に向けて次元転送砲から「突入者」を送り込み、鈴上の説得を試みる。
しかし、鈴上は想念の異界で何不自由なく暮らしており、地上で勤めていたブラック企業や夫婦間の問題から解放され、新たな友人、妻、子どもまで授かり幸せな日々を送っていた。
当然鈴上がそんな幸せを手放す訳もなく対立、そして人類側による世界的な大規模突入作戦が決行される…
鈴上の説明だけになってしまったが、後のプニ対(プーニー災害対策組織)隊長となる相川聖子や、最初のプーニーコンダクター野夏旋、最後の戦いで活躍する理剣など、魅力的なキャラクターばかり。
人口の大半が抵抗値11〜80なのに対し、三人は500前後の数値を持ち、アニメ「PSYCHO-PASS」の「常守朱」的な特別感があった。
それぞれの登場人物に対して、自分だったらどうしてたかなーなどと考えながら読み進めるのは楽しいし、この作品を読んで、自分はソフトSFが好きなのだと理解した。
- 感想投稿日 : 2021年6月13日
- 読了日 : 2021年6月13日
- 本棚登録日 : 2021年6月13日
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