エピクロス: 教説と手紙 (岩波文庫 青 606-1)

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感想 : 31

エピクロスの現存するテキストをすべて集めた本.
最初にあるのは彼の哲学を要約した三つの手紙.
最初の二つは自然学と天界・気象界に関する手紙で,われわれがもつ現代の自然観とあまりにかけ離れているし,誤った仮定からはどんなに緻密な思考をしようとも,正しい演繹は得られないので,哲学史をやっている人以外にはあまり意味のあるものではない.
三番目の手紙は倫理に関するもので,これは現代人にとっても十分読む価値がある.死の恐怖から逃れ平静な心を保つ方法が語られる.わずか10ページ.これを大きな字でやさしい言葉で書けば,現代にも通じる生き方指南本が一冊出来上がる.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宗教・社会・哲学
感想投稿日 : 2018年6月21日
読了日 : 2018年6月21日
本棚登録日 : 2018年6月21日

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