切ない二篇。
『註文帳』はホラー。剃刀の鋭さが寒さを引き立て、雪と滴る血のコントラストが鮮やかに浮かび上がる。
婀娜な女性は数多く登場する鏡花の作品だが、欽之助のような色気のある男性もまたいい。突飛な結末。悲劇のハッピーエンド。
『白鷺』。お稲さんに回想して語るのが、夫ではなく弟なのが考えられてる。お篠さんがいじらしく可愛い。
伊達先生の魅力がいまいち不明瞭。鏡花にとっての紅葉先生みたいな人なのか。お篠さんがそんなに惹かれる理由がよく解らない。
雨上がりの空気が心地よく染みる。お稲さんが主役にもなりうる物語。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学 日本
- 感想投稿日 : 2020年3月24日
- 読了日 : 2020年3月23日
- 本棚登録日 : 2019年1月6日
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