註文帳 白鷺 (岩波文庫 緑 27-14)

  • 岩波書店 (1936年6月30日発売)
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本棚登録 : 46
感想 : 4

切ない二篇。

『註文帳』はホラー。剃刀の鋭さが寒さを引き立て、雪と滴る血のコントラストが鮮やかに浮かび上がる。

婀娜な女性は数多く登場する鏡花の作品だが、欽之助のような色気のある男性もまたいい。突飛な結末。悲劇のハッピーエンド。

『白鷺』。お稲さんに回想して語るのが、夫ではなく弟なのが考えられてる。お篠さんがいじらしく可愛い。

伊達先生の魅力がいまいち不明瞭。鏡花にとっての紅葉先生みたいな人なのか。お篠さんがそんなに惹かれる理由がよく解らない。

雨上がりの空気が心地よく染みる。お稲さんが主役にもなりうる物語。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学 日本
感想投稿日 : 2020年3月24日
読了日 : 2020年3月23日
本棚登録日 : 2019年1月6日

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