存在とは自我であり、イメージでもあり、それらを不滅なものにしたい人たちと、それに耐えられない人たち。
隅々まで面白く、震えるほどの感動が込み上げてくる。天才。
人生や自我とは関係なく元から実存していたもの、その基本的な存在の美しさと溶け合うアニェスと、水に変わり石に変わる幸福に、自分をも同化させてしまった。
暴力的な世界を見ないようアニェスが望んだ、ただ一本の勿忘草の青が心に焼き付いている。
「彼女は精神的な老眼だった」「我思う、ゆえに我ありは、歯痛を見くびる知識人の言い草である」など言葉の数々に刺激される。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学 フランス語
- 感想投稿日 : 2017年3月17日
- 読了日 : 2017年3月17日
- 本棚登録日 : 2017年3月17日
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