革命とロベスピエールの限界が見える。
友達思いのロベスピエールは無理して「革命」になろうとするが、その無理に気づく者はいない。
エベールは下品な嘘をでっち上げるような人物だが、民衆のニーズを掴み現状分析も思いのほか的を得ている。他の革命家が彼を見くびっていたのが残念だ。彼に中傷されたマリー・アントワネットも、下手に美化も卑下もされず死に向かう1人の人間として尊厳をもって描かれていたのが良かった。
ダントンは確かにかっこいいがインパクトに比べ実際の行動にはそれほど実がない。ギロチンにかけられるまで全て計算の上での「かっこいいダントン」像の自己演出だったのではないか。ただし2巻からの変貌を考えると墓場での行動ひいては妻への愛は嘘ではない本心からのものだったのか。ロベスピエールやデムーランへの友情も本当だったと信じたいが。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史関連(フランス)
- 感想投稿日 : 2012年4月27日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年4月27日
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