大好きなミミズクの続編。
読む前はあの感動を壊してしまうのが嫌で悩んだりもしたんですが、心の底から読んでよかったと思える物語でした。
ミミズクが号泣する物語だとすれば、これは嗚咽を堪えて読むような物語かもしれません。
エルザは毒吐姫として生まれ、そして言無姫にされ、そして言霊姫になったのかなぁと思わせてもらいました。
「どんな風に言えば、あなたが傷つかないのか分らない」
これはオリエッタの言葉ですが、はっとさせられるものがありました。
エルザは誰よりも言葉の力を知っていて、だからこそ誰よりも傷ついてきたのでしょう。
力を知っているからこそ、彼女は嘘をつき、本心を偽り、毒を吐かずにはいられなかった。
エルザの言葉は本当だから。だから真実は言えなかった。
毒吐きは彼女の生きる術であり、呪縛であったような気がします。
そんな彼女が最後には自分の力の使い方を知る。なんて素敵な物語でしょう。
ディアの成長というか、あの愛の深さにはもう、言葉が出なくて。
恋ではないけれど、愛し抜くと決めること。
その人を伴侶とし、一生大切にすると定めること。
たとえその人がどんな人間であっても。レッドアークのために。
そう言われてしまえば、どこか利用しているような感じもするのですが、ディアの態度にはそんなところがまるでない。エルザを通り越してヴィオンを見ることは決してしなかった。彼はちゃんとエルザと向き合い、それでいて王として、彼女を愛し妻とすることを選んだ。
どちらかだけならできるかもしれないけれど、両方ってなかなか出来ることじゃないですよね。
その愛の深さに触れて、やはりエルザは変わったのだろうなぁと。
ディアは恋ではなくても、やはりエルザは恋をしたのです。
人に出会って人が人を変えて行くのだなぁと。
オリエッタとアン・デュークは相変わらずいい夫婦っぷりでによによさせて頂きました。ミミズクの登場はちょっとご都合主義の気はしなくもないですが、やはり二人の姫は出会わなくていけなかったと思いますしまあいいでしょう(何
本当おなかいっぱいの物語でした!ゴチ!!
- 感想投稿日 : 2011年5月3日
- 読了日 : 2011年5月3日
- 本棚登録日 : 2011年5月3日
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