ネアンデルタール人は私たちと交配した

  • 文藝春秋 (2015年6月27日発売)
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ノーベル生理学・医学賞を受賞されたということで拝読しました。

そこまでDNAに詳しいわけではありませんが、高校生物に毛が生えた程度の知識でもとても楽しく読み進めることができました。DNA分析のカギを握るPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)はここ最近よく聞いた言葉の一つではないかなと思います。
興味深かったのは、ペーポ博士が元々はエジプトのミイラの研究をしたいと思っていた点です。同じく研究していた医学とそれを組み合わせたことから、このDNAをめぐる大きな研究が始まったともいえます。
多分野に興味を持つと、往々にして「どれか一つにしておきなさい」と言われることがあります(本文中のペーボ博士もそうです)。けれど、この本を読んで好きなものはいくつあってもいいのかなと思いました。

好きなものはいくつあってもいい。
いつかそれらは複雑に絡み合って、あなたを見たことも想像したことさえもないところへ連れて行ってくれる。

研究についての内容もとても興味深かったですが、時々差し込まれるプライベートな出来事(恋人がヨーロッパに居るからヨーロッパの研究所のポストを探すとか、友達の研究者とうっかり三角関係?になるとか)も面白かった。立派な博士と自分たちの間に地続きの人間味を感じるエピソードでした。

この分野はこれからも物凄いスピードで発展していく分野だと思うので、今後の発見にも期待です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月12日
読了日 : 2022年10月12日
本棚登録日 : 2022年10月12日

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