流刑地にて―カフカ・コレクション (白水uブックス)

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本棚登録 : 218
レビュー : 25
制作 : Franz Kafka  池内 紀 
deriahumanoid119さん 映画 フィクション   読み終わった 

フランツ=カフカの短編集。
判決、流刑地にて、観察、火夫が収められている。

今更ながらにまともにカフカを読んだ。
当時の世相に不満や疑問を抱き、人と壁を作って生きている感じを受ける。
小説が書かれて20年程後に、ナチス・ドイツが誕生。
ユダヤ系のカフカが書いた小説も当時、殆ど人目に触れることはなかっただろう。

本タイトルにもなっている「流刑地にて」
処刑の機械の描写が細密で、科学実験の様なイメージ。
誰が定義した道徳と非道徳の狭間にかけられる人間性をつかさどる奇妙なからくり。
旅行家が流刑地に足を踏み入れた段階で、すでにその場で起こる結末は決まっていたのだろう。
将校の(本人も予期しなかっただろう)酷い死に様。
そもそも死に美など存在しない。
実際に起こる淡々とした死に比べると、
ひとびとが過剰に恐れ抱いているものの虚しさを感じる。


喪失感と虚無、そして人間のにおい。


個人的に印象に残っているのが、「観察」の中の「不幸であること」
私(カフカ自身だろう)が夜に小さなこどもの幽霊と遭遇する話。
カフカの人間臭さを感じる。

レビュー投稿日
2011年11月26日
読了日
2011年10月17日
本棚登録日
2011年11月26日
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