恩讐の彼方に・忠直卿行状記 他八篇 (岩波文庫 緑 63-1)

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  • 岩波書店 (1952年5月25日発売)
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「恩讐の彼方に」
・メインの人物たちはある意味善人であり、仏教や道徳のような、人間本来の善良さを肯定する物語。悪人は駆け落ちした女のみ。
・主人公の主人を殺す始まり方が臨場感がある。物語に引き込む効果が高い。
・主人公の殺人はすべて受動的であるというエクスキューズが物語の核を弱めている。本来極悪の人間が何かのきっかけで、大きく考えを変える方がドラマチックになるのでは。
・心理描写が説明的で明快。もう少し繊細にもやもやしながら恐ろしい表現をするとぐっとくるのでは。

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感想投稿日 : 2016年5月9日
読了日 : 2016年5月9日
本棚登録日 : 2016年5月9日

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