ちぐはぐな身体(からだ): ファッションって何? (ちくま文庫 わ 8-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (2005年1月6日発売)
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本棚登録 : 2124
感想 : 121
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哲学者が書いたファッション論。
グランジくらいの頃に書かれたものなので、結構前の本だが、今読んでも十分面白い。

この本はファッションを通して、自分とは何か、自他の境目とは何か、という哲学的な問いを、軽くさらさらと問いかける。とても重い、難しいテーマのはずなんだけど、すーっと入ってくる。

筆者が哲学、ファッションともに堅苦しく考えなく、"生きているもの=生もの”として、捉えているからだと思う。

自分ってなんなんだろう、自分は他者があって初めて認識できるもの。ファッションは本来の自分を加工するもの。

皮膚の上を覆った、社会、他者と対峙すべきモノ。
自分を再定義するもの。着飾り、虚飾するもの。

あったかいから、寒いから、着心地がいいから。
だけではなく、自分とは、他者とは、社会とは、
に確かに関係するもんだなーと。

意外と普段気付かないことに気付かされました。


ただの頭でっかちな産物ではなく、きちんと実用的でなければならなく、なおかつ哲学、アート的でもあり得る。(芸術でいうところの民藝のようなものでしょうか。)

奥が深いですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月6日
読了日 : 2019年7月6日
本棚登録日 : 2019年6月28日

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