哲学者が書いたファッション論。
グランジくらいの頃に書かれたものなので、結構前の本だが、今読んでも十分面白い。
この本はファッションを通して、自分とは何か、自他の境目とは何か、という哲学的な問いを、軽くさらさらと問いかける。とても重い、難しいテーマのはずなんだけど、すーっと入ってくる。
筆者が哲学、ファッションともに堅苦しく考えなく、"生きているもの=生もの”として、捉えているからだと思う。
自分ってなんなんだろう、自分は他者があって初めて認識できるもの。ファッションは本来の自分を加工するもの。
皮膚の上を覆った、社会、他者と対峙すべきモノ。
自分を再定義するもの。着飾り、虚飾するもの。
あったかいから、寒いから、着心地がいいから。
だけではなく、自分とは、他者とは、社会とは、
に確かに関係するもんだなーと。
意外と普段気付かないことに気付かされました。
ただの頭でっかちな産物ではなく、きちんと実用的でなければならなく、なおかつ哲学、アート的でもあり得る。(芸術でいうところの民藝のようなものでしょうか。)
奥が深いですね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年7月6日
- 読了日 : 2019年7月6日
- 本棚登録日 : 2019年6月28日
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