眩しい夏の日をすごした少年が大人になっていく物語のように感じた。
とてもステキな初恋の物語だった。
物語は...
ぼく(アオヤマ君)は小学校4年生で、郊外の住宅地に住んでいる。偉い人になるために努力を欠かさない。そして、歯科医院の「お姉さん」のことがとても気になる。
ある日、街にアデリー・ペンギンの群れが現れた。
ペンギンがどこからきたのか、調べ始めたぼくの前で不思議なことが起こった。あのお姉さんがコーラの缶を宙に投げ上げると、それがペンギンに変わったのだ。
お姉さんはぼくに言った。「この謎を解いてごらん」と...
前半部分はなんか読みづらかった。
しかし後半になるにつれ、青春であり、SFであり、ファンタジーであり、ミステリーであり、興味が湧いてきた。
おもしろくなってきた。
お姉さんが気づいていくセリフがとても切ない、哀しい。
「もし私が・・・」
「そろそろ・・・」
「私も、私の思い出も、みんな・・・」
とてもステキなラストでした。
アオヤマ君は大人の階段を一気に駆け上がっていく。
お姉さんと約束したから。
お姉さんが待っているから。
お姉さんは「大人はひいきしないとだれが決めた?」と笑いながら、ひいきしてるから、君を、ずっと。
君だけが私を見つけてくれると信じて待っているだろうから、きっと。
月とともに。
そんな気がした。
「・・・。そしたら私を見つけて、会いにおいでよ」
「ぼくは会いに行きます。」
ふたたび巡りあう本当のラストを想像した。
そんな余韻を残して、私は本を綴じた。
- 感想投稿日 : 2013年8月18日
- 読了日 : 2013年8月18日
- 本棚登録日 : 2013年8月18日
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