天翔る

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本棚登録 : 606
レビュー : 114
著者 :
desicoさん 文学・評論   読み終わった 

ページが残り少なくなっていく。
まだだ、まだ読みたい、物語を読み続けたい。
初めてかもしれない、終わってほしくないと感じた物語。

北海道の牧場を舞台に描かれる少女まりもと馬との物語。
失ってしまったまりも。
触れることができなくなった貴子。
捨てきることができなかった志渡。
3人が馬とともに過去を乗り越え、未来へと翔けていく。

物語が軽快に駆けていったり、ドンっ!と落馬してしまったり、まるで作者が読書の心の手綱を握っているかのように、物語のアップダウンを伝え、気持ちを惹き込んでいく。

まりもが父を失くした後に初めて引き絞るように叫ぶ
「と・・・とう、ちゃあん・・・、とう、ちゃあん」
ぐっと鷲掴みにされた、身体全体を。

涙を流すたびにまりもが成長していく。
抱きしめられるたびにまりもが成長していく。
抱きしめるたびに互いが、互いとが強くなっていく。

乗馬耐久競技(エンデュランス)という未知の世界に踏み出すまりも。
まりもの周りの大人たちが様々な思惑を絡めながら。

エンジデュランスなんて知らない。
知らないけど、緊張したり、苦しんだり、すーっと背筋が伸びたりしてくる。
エンデュランスの先にあった気持ちが私にも移ってきた。

そして、ラスト。
読後感がいいってものじゃない。
感動しました。

お気に入りの本が並ぶ本棚にまた1冊増えます。
ステキな感情とともに。

レビュー投稿日
2013年10月5日
読了日
2013年10月5日
本棚登録日
2013年10月5日
7
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