ひと・まち・まつり―大道芸パワーで元気がよみがえる

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  • 評言社 (2002年3月5日発売)
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 著者の野尻博師匠はビル・クリントン前アメリカ大統領も贔屓としている大道芸(ワンマンバンド)の第一人者です。
 その野尻師匠が大道芸人を集めて起業し、日本各地で町おこしのお手伝いをされています。
 その町おこし関係の活動について記した本。
        
 本書では町おこしに大切なのはストーリー性とおもてなしの心と仕掛けだと挙げ、東京ディズニーランドについて高く評価されています。
 一方で、
「バブルのころ全国に雨後の竹の子のようにつくられた第三セクターの観光地やテーマパークの多く」
については手厳しく批判しています。
 そしてソフトとハードのバランスが大事だと述べ、ソフトを充実した上でのハードが必要だ、大道芸はソフトを充実させる要因となる、ということです。
         
 私なんかはTDLやUSJといったメジャー施設にかえって反発し、逆に野尻師匠が批判しているような寂れたマイナー施設や廃墟となってしまった施設の方に親近性を感じるタイプです。 
 そういう町おこし不適格人間の私が思うのですが、町おこしは本当に大変だと思います。
 組織を動かすというのは大変で、それは小さな会社を見るだけでも分かります。
 組織や会社には担当者というものがあって、何か新しいことをやろうと思えば、担当者との折衝が避けられません。利害関係その他のしがらみもあります。
 小さな組織や会社ですらそうですが、町というのはそういう組織や会社の集まりです。利害やら何やらが複雑に込み入って大変でしょう。
 著者・野尻師匠の会社はそういった町おこしを日本各地で行っているのだからすごい。
        
 なお、引きこもり・自然散策・廃墟趣味の私も、大道芸や見世物には興味あります。大道芸をやっているのを見たら見物しておひねりを入れています。
 大道芸で町おこしの試みが成功して広がっていけばいいですね。
   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170317/p1

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 700 芸術・美術
感想投稿日 : 2017年3月18日
読了日 : 2017年3月18日
本棚登録日 : 2017年3月18日

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