戦争論

  • 青空文庫 (2008年8月6日発売)
4.50
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 5
感想 : 1
5

 冒頭の
「戦争は人類に多くの利益をもたらしてくれた」
で、ギョッとしました。
 こんな感じの論調が延々と続くのであれば放り出そうかと思ったのですが、その後は結構良識的で真っ当な論調になったので安心。
      
「戦争は終った。永遠に。我々に残された道は、建設のみである。昔ながらのものに復旧することを正義としてはならないのだ」
      
 坂口安吾は軍国主義と戦争で苦しみ、敗戦で解放感を味わった世代です。
 その世代が二度と軍国主義と戦争を体験したくないと思うのは当然のことでしょうね。
     
 しかし戦争が終わって70余年。軍国主義と戦争を体験していない世代が多数派を占める世の中になりました。
 軍国主義と戦争に関しては
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」
のようなところがあります。
       
「昔ながらのものに復旧することを正義と」し「戦後レジームからの脱却」を叫ぶバカ殿が首相となり、それにこびへつらうウジ虫どもが跳梁跋扈しています。
「そこまで言って委員会」を始めとする蛆虫とクズの集まりのような低俗番組で
「過激なこと言ったもん勝ち」
「ヘイトなこと言ったもん勝ち」
のような風潮があります。
 百田尚樹や竹田恒泰など坂口安吾の足元にも及ばない吹けば飛ぶような小物が俺は大作家だなどと思い上がって偉そうに発言している時代です。また、それが許される時代です。もっと言うと、国民が騙され・洗脳される時代です。
 このままいけば日本は再び軍国主義と戦争の時代に引っ張っていかれるでしょう。
 坂口安吾を愛読する皆様、それでいいのですか。
   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170623/p1

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 300 社会科学
感想投稿日 : 2017年6月24日
読了日 : 2017年6月24日
本棚登録日 : 2017年6月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする