岡本綺堂伝奇小説集 其ノ1

著者 :
  • 原書房 (1999年6月1日発売)
4.07
  • (11)
  • (10)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 78
感想 : 16
5

金毛九尾の狐の伝説を、半七捕物帳の作者が悲しい恋物語として表したのが本書。九尾の狐伝説ってこんな話だったのか・・・まず、タイトル読めんかった・・・天竺から中国に渡り殷を滅亡に導き、絶世の美女として日本の宮中に潜入しようとする。そこに表れるのは陰陽師安倍晴明の子孫とその若く悩める弟子。この作品が何年に書かれたのか確認していないのですが、昭和14年に著者は亡くなられているので、かなり前のはずなのです。全く古びない作品。半七捕物帳でも感じたのですが、描かれる情景には詩情さえ感じられます。浄瑠璃や歌舞伎を取り込んでいるとう、その言葉の選び方が凄い。岡本綺堂、すごいです。図書館で偶然見つけたのですが、この伝奇小説は何巻かのシリーズになっているようです。また楽しみが増えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 幻想と怪奇
感想投稿日 : 2011年6月11日
読了日 : 2011年6月11日
本棚登録日 : 2011年6月11日

みんなの感想をみる

コメント 1件

マオさんのコメント
2011/07/28

こんにちは。
岡村綺堂って興味はありながら読んだことがなかったのですが、すごくよさそうですね。
Wikipediaには戯曲版が「大正7年」とありますが、小説版もその頃でしょうか。美しい文章に触れられそうで、俄然読みたくなりました。
すてきなレビュー、ありがとうございます!

ツイートする