中野重治も佐多稲子も共に未読で、この手記で初めて触れる人々なのだが、そんな事とは関係なく心動かされる回想記である。
共産党にまつわる複雑な人間関係を横糸としながら、驢馬の会という彼ら彼女らの青春期の文学グループ、特に筆者が中野に見いだされたという文学上の関わりを主軸として、様々な場所を巡る記憶や折に触れた一言などを丹念に思い起こし筆を運ばせていく様が読み手にもぐいぐいと迫ってくる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2020年5月17日
- 読了日 : 2020年5月17日
- 本棚登録日 : 2020年5月17日
みんなの感想をみる