最新の小説だが、本当に「最新」に近い最近の情勢を背景にした物語で、なかなかに興味深い。何がどうなるのか、気になって耐え難くなり、頁を繰る手が停まらなくなり、何時の間にか読了に至ってしまった…
ブライアン・フリーマントルの作品には様々な内容のモノが在るのだが、「“諜報”の世界」、「国際的謀略」というような要素を含む作品が多い。本作もそうした「“諜報”の世界」、「国際的謀略」というような要素が大きな物語ということになる。
“諜報”というモノには、極大雑把に「ヒューミント」と称する「生身の人間の情報収集等の活動」と、「シギミント」と称する「電子機器等を駆使した通信等の傍受とその分析」とが在る。過去のブライアン・フリーマントル作品では、その「ヒューミント」に関連する物語が展開していた。あの「英国の不敵な諜報部員」ということになる「チャーリー・マフィン」のような、長く様々な作品で活躍する面白い作中人物も創り上げられて来た。そういうモノに親しんだ立場で本作に触れると、少し面食らう。本作は「シギミント」に関連する物語なのだ…
その「シギミント」に関連する物語ではあるのだが、そこは「ブライアン・フリーマントルの作品」というものである。作中で展開する事案に携わる人達が面白く、重大な危機に立ち向かう様はスリリングだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文庫(翻訳)
- 感想投稿日 : 2019年10月3日
- 読了日 : 2019年10月3日
- 本棚登録日 : 2019年10月3日
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