戦都の陰陽師シリーズ2作目。前作で入手した霊剣が魔界から来襲した天狗に奪われてさぁ大変という次第で、陰陽師・光子と伊賀忍者というお馴染みの一行が剣奪還の為、松永久秀によって焼き払われた奈良へ。恐らく本作に期待するのは陰陽師&忍者による丁々発止のバトルなのだが、前作を大分下回る戦闘シーンと勢いを増して描かれる戦国の風俗描写によって単純なストーリィが長大な味付けとなっているのが玉に瑕。忍としてどうやって侵入して、という経緯や光子が仕掛けた逃走の策、有春の想いや竜牙と蘭のロマンスなどまぁ読みどころはあるのだが、如何せん枝葉が多過ぎる。ついでに人間側の大ボスである久秀も存命の上に、天狗陣も結構生き残ってるし、果心居士もほぼノーダメージで、剣は奪取したのにあんな状態の光子さんが不憫だし、続く感満載の終わり方なので、こんなに長いこと読んだのにっ、という全く爽快感が持てないのがいただけない。内容は悪くないのでもう少しコンパクトにして欲しかった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年11月13日
- 読了日 : 2014年11月13日
- 本棚登録日 : 2014年11月13日
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