ヒロインを中心に展開していく青春漫画雑誌「アオハル」。各作品キャラクターたちの感情がダイレクトに伝わってきました。
感情を伝えよう。巻頭の「2年3組オブ・ザ・デッド」からアオハルの作品は感情がよく伝わる作品だと今回思いました。死にながら生きるという選択肢を決めた少女たちの決意はとても素直に伝わってきました。今井哲也先生の「あらしの空の思い出」ではヒロインの姿見を一切見せなかったが、主人公が思うヒロインを主人公の感情を通して想像させてくれた面白い作品でした。様々な描写を見落とさないよう注意しながら観たい作品もこの世の中にありますが、どストレートに伝えてくれる作品も大事だとこの頃思います。
ファンタジー色も多めに。どちらかと言うと青春というテーマは学園モノに固定させるイメージがありますが、今回のアオハルはファンタジー作品もありました。湖に住まう精霊を描いた「金苺魚」、鬼と人間の友情コメディ「つのじゅう」、「ひとりの少女と世界獣」などファンタジーを絡めてきた作品は青春をテーマにした少年少女が目立つアオハルにおいて良い緩衝材にもなっています。ただ、どの作品も少女が出てくるところを見るとアオハルらしいと言うべき作品でもあるのかな。この中では、世界獣の設定はどこかショートショートの雰囲気も感じ取れてとてもおもしろかった。
アオハルも今回で6冊目ですが、もうそろそろなにか変化的なものも欲しいところ。劇画調の男くさい青春も描ける作家が出てきてくれると嬉しいな。万人向けの青春もいいですが、ニッチなところを狙った作品も雑誌のなかにひとつはあってくれると読んでいて面白いので。
- 感想投稿日 : 2013年8月16日
- 読了日 : 2013年8月16日
- 本棚登録日 : 2013年8月16日
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