人質の朗読会

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本棚登録 : 3019
レビュー : 622
著者 :
ahiruさん 小川洋子   読み終わった 

日本語って素敵、日本人で嬉しい。そう思わせてくれるお話。

プロローグは、テロリストによって拉致された8人の日本人のニュースから始まる。そして、読者はその8人の日本人が、長い拘留の末、地元の軍、警察、特殊部隊の突入の折、爆弾により全員が死亡するという結末を知らされる。

この作品は、8人の拘留された日本人が、自分のことを語る「朗読会」の内容を本にしたものである。

物語はどれもとっつきやすいし読みやすい。小川洋子さんらしい優しかったり美しかったりする描写もいつも通りで、尚且つ人を選ばない「素敵な短編」が収められている。
しかし、その作品の1つ1つを読み終わるたびに、「この物語を語った人は、死んだんだ」という現実に胸が痛む。ただの良質な短篇集にしないところが、面白いというか、構成の妙というか、すごいなぁと感心した。

短編の端々に、日本人らしさや暖かさ、肉体の不思議、生きることの不思議さ、人の縁、いろいろなことに触れられるように感じてホワホワする。「拉致監禁されている人が今語っている話なのだ」ということが、ずっしりのしかかってくるからだと思う。

レビュー投稿日
2012年7月31日
読了日
2012年7月31日
本棚登録日
2012年7月24日
2
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