どれも女性が主人公だったり重きを置かれたりして書かれた作品でした。
自分では考えなかった視点や観点から書かれていて印象に残ったのを3つピックアップしました。
●しずかちゃんの秘密の女ともだち
ドラえもんのしずかちゃん目線でドラえもんの世界をみたら、というもの。実はしずかちゃんは出木杉君より頭がいいけど、クラスで目立つのは嫌だし、出木杉君を立てるためにテストでも間違えてる。将来が「のび太のお嫁さん」ということが決まっている。これらのモヤモヤはドラえもんも理解してくれない・・・そんなところにイラストレーター(漫画家?)を目指してるジャイ子だけは理解してくれる。という話でした。やるせないなぁ・・もし自分がしずかちゃんだったら、と考えずにはいられませんでした。ドラえもんが誕生した時代を考えると仕方ないかもしれないけれど、いつも弱い女性として描かれているしずかちゃんは嫌だと思った。
●マーリカの手記
コロナで海外に行けなくなっているけれど、海外で生活する予定があるので、海外から日本に来た留学生の1年、というこの短編を高い関心をもって読みました。なにより感じたのが、よく言われている当たり前のことだけど「語学はその国に行く前も身に付けた方がいい」というもの。マーリカは日本語初級だったから、結局英語で生活しちゃって、日本で生活している日本人との交流が少なく、朝ごみ捨てで挨拶する程度だったとのこと・・ちょっとぞっとした。英語頑張ろ。
●1989年から来た男
微妙に昔から来た男性について書かれていたフィクションで面白かった!江戸からとか、世界が違うくらい昔からくるのではなく、社会の仕組みもあんまり変わっていないくらいちょっと昔のバブル最盛期から来た男性。バブルな男性ですが、現代で就職せざるを得なくなって稼げなくなりだんだん荒んでいく…という話。経済状況はやはり人の性格に影響を及ぼすのだろうか。いやぁ、及ぼすだろうなぁ、人間って環境に左右される生き物ですしね。悲壮感がある話でした。
- 感想投稿日 : 2020年8月29日
- 読了日 : 2020年8月29日
- 本棚登録日 : 2020年8月23日
みんなの感想をみる