桜の森の満開の下

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本棚登録 : 552
レビュー : 82
著者 :
DoshiyoKanaさん  未設定  読み終わった 

「桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。 … 大昔は桜の花の下は怖しいと思っても、絶景だなどとは誰も思いませんでした。近頃は桜の花の下といえば人間がより集まって酒をのんで喧嘩していますから陽気でにぎやかだと思い込んでいますが、桜の花の下から人間を取り去ると怖ろしい景色になります…」

グロテスクで、恐ろしく、とても美しい短編小説。
圧倒的な孤独と自然に対する人間存在の小ささを、桜を恐れる山賊、都から来た美しい女、びっこを引く女を通して描く。
説話的で映像が目に浮かぶような文章が魅力。

美しい景色の中にいて、ふと言いようもない孤独感に襲われることがある。
この孤独感や無力感をまず受け止めて、そこからどう生きていくかが人間の真価を決めるのだろうか。と思う。堕落論とセットで読みたい。

「桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分かりません。 … 」

レビュー投稿日
2019年11月1日
読了日
2019年10月31日
本棚登録日
2019年10月31日
7
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