笑うカイチュウ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1999年3月4日発売)
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感想 : 49
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イタズラに恐怖心をあおるつもりはないですが、
あなたは寄生虫に寄生されてはいませんか。(笑

ひじょーに面白い。

ここで、作者の危惧していることが、
あぁ日本だなと思うことなので抜粋したい。

日本では寄生虫学が衰退していってるそうだ。
なぜか?
それは日本にはほとんど寄生虫による症状がなくなってきているからだ、

存在しない病気の勉強なんていらないんじゃないって単純な理由。

こんなことでいいのか?

確かに日本ではないかもしれないが、
世界で、これほど感染している症状もないのに。

ってね。

「世界に目を向けると半数の25億人がなんらかの寄生虫を保有し、三分の一が寄生虫病になやまされている。マラリアには3.5%一億七千七百万人。フィラリアには5%二億五千万人」

これほど寄生虫による患者がいるにもかかわらず、
日本の医学部では日本にはそんな患者いないから勉強しないというのです。

これだけ物も人も世界を駆け回るようになっている時代。
寄生虫研究は日本ではなくなっていいのでしょうか。

こんな日本にすんでいるのは怖いと思いませんか。

日本は、遅れている。

進んでいるものと遅れているものがあるのを理解しなくてはいけない。
なんでも進んでいるわけでもないし
なんでも遅れているわけでもない。



おまけ、平田オリザさんの解説も面白い。

人は一人では生きて行けず、誰かに寄生しているものだ、
と思えば、優しくなれるよね。
って思うね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人生に役立つかもしれない本
感想投稿日 : 2012年11月20日
読了日 : 2012年11月20日
本棚登録日 : 2012年11月20日

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