リーダーシップ論 今何をすべきか (Diamond Harvard Business 名著論文シリーズ)
- ダイヤモンド社 (1999年12月2日発売)
ハーバード・ビジネススクールで史上最年少の34歳で正教授に就いた著者の代表的な本。
リーダーシップとマネージメントの違いについて最初に説いた本ではないでしょうか?
リーダーシップ:ビジョンと戦略を作り上げ、戦略の遂行に向けてそれに関わる人々を結集する。あるいは、エンパワーメントを行い、障害を乗り越えて実現できる力。人と組織文化に訴え、柔軟で熱いもの。変革を成し遂げる力量。
針路を設定し、心を統合し、動機づけと啓発でビジョンの達成を目指す。
マネージメント:計画立案、予算作成、組織化、人員配置、コントロール、問題解決を通じて、既存のシステムの運営。階層とシステムを通じて機能し、冷めている。複雑な環境にうまく対応するのが役割。計画の立案と予算策定から着手し、組織化と人材配置により計画の達成を目指す。
また、組織を動かすための8つの法則と、その注意点について書かれている。8つの法則とは、
①危機感を醸造する
②変革プロセスを主導できるたげの強力なチーム作り
③ふさわしいビジョンの構築
④構築したビジョンの組織内への伝達
⑤社員がビジョン実現へ行動するよう、エンパワーメントを行う
⑥信頼を勝ち取り、批判を鎮めるために短時間に十分な成果を出す
⑦活動に弾みをつけ、変革を成し遂げるより困難な課題に挑む
⑧新しい行動様式を組織文化の一部として根付かせる
上司のマネージメント、他部門との連携、インフォーマルな人的ネットワークの構築の重要性、パワー獲得の方法について詳しく記載されている。
筆者は、周囲を上回るスピードで変革できる企業こそが競争優位を築ける企業であり、変革が今どの企業にも求められているにも関わらず、経営幹部の75%程度が本気で変革を望まない限り、変革が成功しないと述べている。
変革をなし得るプロセス、注意点、必要とされるリーダー像などについて、いろんな角度から論じた本であるものの、現在ではよく理解されている一般的な考え方ともいえるのではないでしょうか。
- 感想投稿日 : 2014年6月2日
- 読了日 : 2010年3月22日
- 本棚登録日 : 2014年6月2日
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