タイトルの『魔王』はシューベルトの楽曲「魔王」から来ているらしい。

「魔王」は、父親が息子を脇にかかえながら、馬を疾走させ森を駆け抜ける、というストーリーのある曲だ。
魔王が息子についておいでと囁くのだが、「魔王がぼくをさらおうとしている」と父親に訴えかけても、気のせいだと宥められてしまう。
……そんな楽曲。

「魔王」の不穏なピアノ音が、小説『魔王』のバックグラウンドで鳴っているような気がして、なんとも不穏で不気味だった。

お話自体は重いというわけではないが、群衆(民衆)の思いが一つの潮流となって、予期せぬ場所に向かいかけたら止められないみたいな(イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ政権樹立のような)事象を書いていて、エンタメ作品というのでもない。

政治の大きな流れをいち早く予感し、自分なりの方法で向かっていく、超能力(と自覚はされていないが)を持ったある兄弟のお話。

読書状況 読み終わった
カテゴリ 小説(日本)

娘と同い年の著者に興味があって読む。
「桐島、部活やめるってよ」からのファン。

同年代の心の内を、風化する前に美化する前に、どんどん書いてしまう所にこの人の良さがあると感じていた。
なぜそんな事ができるのだろうとも。

今回「時をかけるゆとり」を読んで、少しだけその理由がわかった。
朝井リョウさんは、小学校の時から作文・日記という形で、同級生の言動なり自分の言動なり、また自分の心象風景を冷静に観察して、残していたというのだ。

それが自然に学校の先生に「小説みたい」と言われ、本人もそんな気になったという。

ごく自然発生的な作家、というのが朝井リョウさんなのだ。

このエッセイは文章が読みやすくて、気取ったところがない。
この人にかかれば、面白くない日常はない。
観察眼と、出来事に対する「内心ツッコミ」だけでエッセイが出来上がる。

「就活」エッセイは、我が子の就活時代に重ねあわせて読んだ。
「就活ツッコミ」も、もちろん面白い。

2017年2月16日

読書状況 読み終わった [2017年2月16日]
カテゴリ エッセイ

子供がこの人の曲をよく聞いている。ドラマは数回見た程度。意外に地味な風貌に、何やら才能を垣間見せるという印象。

エッセイを読んで大好きになった。ひとり時間を大切にし、音楽、役者、文筆稼業といくつものワラジをはいていて、「二兎を追うことはおもしろいんじゃない」というスタンス。

かっこ悪い自分を俯瞰するように見ながら考察する文章は、自虐ネタにとどまらず深いものだ。

平凡な人間にも、才能溢れた人間にも、悲しみの中にも「今日の晩御飯どうしよう」みたいな生活がつづいて行くのだから、この本のタイトルは万人に向けて訴えている。
すごい事を言いえてると思う。

読書状況 読み終わった
カテゴリ エッセイ

イヤミスの女王と称される、湊かなえさんの作品。
ドラマ化され、今年(2017年4月)からTBSで放映されるというので、期待を込めて読んでみた。

今回の主人公は珍しく男性だった。
自他ともに認める地味な男性深瀬。事務機器メーカーの営業をしている。
大学時代の親友、広沢を事故で亡くしたことで、心に傷をおっている。

広沢はゼミ仲間の旅行中に、自動車事故に会い、帰らぬ人となった。
今は就職して別の人生を歩んでいる彼らに「人殺し」と書いた告発文が届けられる。

残された仲間に、ふとよぎる疑問「本当に事故だったのか」から、ストーリーは展開する。

人それぞれの性格で、事故に関する思い入れや悲しみの度合いが違っている。
深瀬にとって広沢は大親友。
彼のネガティブな性格を通して語られるお話は、読むものによって共感できたり、はがゆかったりするだろう。
私は共感できた。

イヤミスなんだろ?って思いながら読んでいるせいか、図らずも「はぁ~」って安心するような結末を迎えたのも束の間、とんでもない結末が待っていた。

湊かなえさんらしい小説だった。

どんな風にドラマ化されるのか楽しみ!!

2017年2月26日

読書状況 読み終わった [2017年2月26日]
カテゴリ 小説(日本)

マツコ・デラックスが作られた過程を知るのに面白い。

自他ともに認めるモラリストの彼(彼女?)
世の中をぶったぎっている人というイメージがみごとに裏切られる。

TVに出続けるために、心にもない毒を吐き続けていたことを反省し、自分の言葉を受け止めてくれる人に、真摯にむきあう姿が好感が持てる。

女装という制服をまとってお仕事をしていることや、「妖しくて下品」としてすぐにTVから消されるであろうと覚悟していたことなどを、話すように書く。

エッセイを書く人が多分に内省的なのに対し、マツコ・デラックスは、あんまり屈託を感じさせない。

休みの日は一歩も外に出たくなっくて、自堕落な食生活で生きているけれど、「まあ、それでいいんじゃない」というスタンス。

しかし、仕事には真面目人間だってわかる。
TVや舞台に出る人、そこに関わる人がどれだけ熱量をもってやっているかが、ステージに現れるって言っている。

人は見た目が9割とは言うものの、彼に限ってはそうとも言えないのかな。

2017年2月23日

読書状況 読み終わった [2017年2月23日]
カテゴリ エッセイ

『カキフライが無いなら来なかった』で始めて知った、せきしろさん。
自由律俳句、エッセイがとんでもなく面白かった。

せきしろは『例える技術』で日常をどんどん例えちゃうのである。

よく似た形、以前あった出来事。
人の共感を呼ぶための手法として、たとえは最強の伝達手段である。

例えるには何より「観察眼」が必要なので、回りがよく見えてない私にとって「世の中には例えるものが山ほどあるのに、例えないのは勿体無い」と教えてくれた1冊。

時間つぶしにもなると書かれているが、頭をひねりすぎて息抜きにはならないと思った。
電車の中で雲を見ながら、とりあえず例える練習をしている。

読書状況 読み終わった
カテゴリ エッセイ

タイトル・ロールから面白そうな予感。そして的中。ズーイー・デシャネル演じるところの、おバカでアツい、そして可愛い女の子と、三人の同居人の男の子の話。

と言っても30代の後半だろうか。いい加減そうでいて思いやりがあって、恋愛下手で、自分のことが認めてほしくて、涙もろくて、そんな登場人物がかわいくなってくる。

いい意味で頭が疲れないドラマ。
ズーイー・デシャネルは『ボーンズ』に出演してるお姉さんに似ているし、『ヴェロニカ・マーズ』に出てくるお人好し保安官の役をしていたあの人がシュミット役(主役級)で出ている。

2017年2月12日

読書状況 観終わった [2017年2月12日]

変わった3家族
➀年の差カップル、スペイン情熱系妻とお金もちの夫
②3人の子を持つ40代夫婦。思春期の娘、いたずらっ子の息子、陽気で頼りない夫
③ゲイのカップル 繊細で優しげな弁護士と、明るく屈託ないパートナー

以上3つの家族がぶつかりあったり、認め合ったり、子育てに苦しんだりといった物語。

1話が短めで、ストーリー展開が早く、しかもハッピーエンドがお約束されているので、とても明るい気分になれる。

お話の途中、何箇所かに、それぞれ夫婦たちの「インタビュー」が挟まれる趣向が珍しく、楽しい。

2017年2月12日

読書状況 観終わった [2017年2月12日]

1997年~2013年まで『an』『じゃらん』に連載されたエッセイ。
『水曜どうでしょう』が大ブレークした大泉洋さんが北海道をから全国区になったあたりのことが書かれている。

TVの中そのまんまの人。予想に違わず面白かった。声をあげて笑ってしまった。家族と劇団に大きな愛をそそいでいるのが気持ちいい。

多くは「旅の途上」の出来事なんだけど、「何が何でも楽しむ旅」に全力投球な大泉洋さんの姿に感動すらする。

感動と感謝と笑いと旅についてのエッセイ!

自分を笑い飛ばす強さがある。そして何よりオチが必ずある。

2017年2月16日

読書状況 読み終わった [2017年2月16日]
カテゴリ エッセイ

「なにげない日常」というのがぴったりなエッセイ。いい天気だなあ、洗濯ものが干せそうだな、お豆腐も買いにいかなくっちゃ、みたいな日常。

作家であり、音楽家でもある小川糸さんの日常も、なんら私たちと変わりはない。

そう言えば「食堂かたつむり」は、やや変わった食堂を営む若い女性の、食に対するこだわりと人を見守るやさしさといった内容だったような。
「喋喋喃喃」は日常的に着物を着る生活をし、所作の美しい女性が、古着屋のご主人と不倫をする話が、淡々として日常の風景として書かれていたような気がする。

小川糸さんにとっては日常こそドラマなのです。平凡こそがドラマなのですね。

最近ちょっと思うように行かないことがあって、もやもやっとしていたんだけど、まあそれだって絶対に思うように行かせなくっちゃいけない、と言うほどのことでもないか。そう思うようになった。

肩から力の抜けたエッセイ。

2017年2月1日

読書状況 読み終わった [2017年2月1日]
カテゴリ エッセイ

アメリカ、シアトルの大病院を舞台に、メディカル・スクールを出たばかりの研修医たちが、医療に真剣に向き合い成長するお話。
24時間、医師であり続ける彼らは格好良く、人間を救う神の手だと思う。

患者と向き合えば向き合うほど悩みは深くなる医師たち。
医療を超えたヒューマン・ドラマ。

そして彼らの恋愛模様も複雑で、目が離せない。

お仕事ドラマ、恋愛ドラマ、若者の成長ドラマ。

2017年2月16日

読書状況 観終わった [2017年2月16日]

突然のガン告知。

残り少ない寿命をせいいっぱい生きようとするあまり、空回りし続ける女性。40代。

すがすがしいくらいの空回りぶり。
旦那には愛想をつかし、溺愛する息子からは嫌われ、良いことはないように見えて、それでも彼女は超のつく前向きな人。

汚さないように大切にしていたソファが象徴するような、つまらない毎日。
息子の脱ぎ散らす洗濯ものを拾い集めて、ため息をつくような毎日

そんな毎日に嫌気がさして…

本来の自分は、小さな枠にとらわれてイジイジ生活するだけの女ではないはず!
そんな彼女の思いには、少なからず感情移入できる。

本当の自分をとりもどす!
その上で、家族の愛に気づく。 そんなお話。

家族第一に生きすぎて自分を見失ってしまった40代、50代の女性にオススメ。

2017年1月28日

読書状況 観終わった [2017年1月28日]

父の探偵業を放課後に手伝う、女子高生ヴェロニカ・マーズ。
父以上に推理力、行動力にすぐれた彼女は学校内外の事件を次々に解決してゆく。

もとは保安官であった父がその職を追われたのは、ヴェロニカの親友が自宅で殺されたという事件を追っていた際、誤認逮捕があったとされたことが原因。

父の失墜がヴェロニカの高校生活にも影を落とすようになる。

ヴェロニカの彼で、殺された親友の弟でもある同級生からは冷たく別れられ、学校では孤立するようになる。

しかしヴェロニカは強い。
対立するグループには時に仕返しを、時に味方になって、学校での地位は独特の一匹狼となっていく。

格好良すぎて、キュートなヴェロニカ。
何度観ても大好きなドラマ。

浅田次郎の小説はコミカルなものしか読んだことがないので、これは驚いた。

けっこうコワい。
「赤い絆」
人間の情念みたいなものを書いた短編で、男女の心中事件を、昔語りに子どもに話してきかせる老婆の話がある。

勉学一筋、親の期待を一身に受けたおぼっちゃん大学生の恋愛事件(お相手は遊女)を扱って、大時代的な悲恋を語るのかなー、と思いきや。
そこは本当にあった話的な怪談に一気になだれ込む。

「遠別離」には感動した。
戦争中、フィリピンのレイテ島で命を絶たれた男と、東京で2浪の末に大学進学をあきらめガードマンをしている男性の人生が奇妙にシンクロするお話。

兵士の、この世に残った魂が愛妻に別れを告げるシーン、社会人として責任を感じ始めたガードマンが兵士の魂を受け継ぐシーンが涙を誘った。

2017年1月28日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2017年1月28日]
カテゴリ 小説(日本)

「七つの人形の恋物語」「スノーグース」の二作が収められている。
作者は「ジェニー」「トンデモねずみ」で知られたポール・ギャリコ。

本作は大人向けに書かれた童話である。

「七つの人形の恋物語」

人形芝居の一座が旅回りをしている途中に、ムーシュ(蝿)という名の女の子を拾う。

女優志願だった彼女はどこへ行っても必要とされず、ストリップ小屋でさえお払い箱となり、小さなスーツケースだけ持って行くあてもなくセーヌ河へと向かう。
人生に絶望して身投げをしようとしているのだ。

そこで彼女に声をかけたのは、一人の人形の男の子。
不思議に思って近づいていったムーシュは、ごく自然に男の子と話し始める。

ムーシュは人形に命をふきこむように、お話ができるという特異な才能をもっていたのだ。
そして、一座と一緒に旅回りに出ることになる。

座長であるキャプテン・コックは冷酷で非道な男。
なぜかムーシュの純粋無垢な性質を嫌い、彼女につらくあたる。

彼のあやつる人形は7つ。巧みに声色を使い分けながら男、女、動物たちを自在にうごかしてゆく。
決して表舞台には出ないけれど、人形を演じさせることにつけては一流。

ムーシュのおかげで名声をはくす一座。

7つの人形に愛情を注ぎ、時に母親のように慈愛をこめて相対するムーシュ。
ムーシュが人形に限りない愛情を注いでいくのを見るにつけ、しだいにキャプテン・コックは破滅的になっていく。
その理由は……


読者がごく自然に人形芝居の観客となるように、物語の導入部があり、そして7体の人形とわずか3人の生身の人間だけが登場する。

人形のひょこひょこ動くさま、人形一つひとるが異なった性格を(かなり個性的な)おもいっきり打ちだして喋るさまなどが面白い。

身をせりだして人形芝居を観ているような感覚になる。

2016年12月28日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2016年12月28日]
カテゴリ 小説(海外)

1983年刊

「考える」に関する学校教育というものは無かったが、人は独自に「考えている」。

どこで、どうやって思考するか。
効果的な思考のしかた。
思考が創造性を生み出す第一歩となる。

具体例をひいて書いてある。

何回も読み直してみよう。

2016年12月27日

読書状況 読み終わった [2016年12月27日]
カテゴリ 生活・自己啓発

シリーズ4作目。

インクドリンカーとして仲良く活字を主食に生きるオディロンとカミラ。

ただどんな活字が好みか二人の意見がじょじょに食い違ってきます。
今回はオディロン、カミラがストローに飲み込まれ「赤ずきん」の世界に行くお話。

「赤ずきん」の中の〈赤ずきん〉と〈オオカミ〉は自分たちの世界(読み物の中で同じことの繰り返し)に飽き飽きしています。
そこにやってきたカミラとオディロンをもっけの幸いと自分たちの身代わりに本の中に閉じ込めてしまいます。

こうなったら覚悟を決めて物語の中で生きるしかありません。
自分たちの行く末はどうなるのか?考える二人。
改めて「赤ずきん」のお話の結末を思い出そうとするのですが、その結末には2種類あると気づきます。

1. オオカミが赤ずきんをとって食っておしまい。
2. 猟師がオオカミのお腹を切り裂いて赤ずきんとおばあさんを救い出しておしまい。

とりあえず、森の中をおばあさんの家に向かって進むオディロンとカミラ。

しかし、オオカミになった今、オディロンは赤ずきんであるカミラの美味しそうでフレッシュな匂いに負けてしまいそう。
理性もあと一歩というところです。

さて代役赤ずきんの運命は……

2016年12月21日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2016年12月21日]
カテゴリ 外国語

翻訳を先に読んだので、内容がスラスラ頭に入ってくる。
クリスマスの光景が頭にふぁーっと広がって、読みやすい。

アメリカの家庭の一端を垣間見るのがおもしろい。

2017年2月16日

読書状況 読み終わった [2017年2月16日]
カテゴリ 小説(海外)

アメリカ人にとってのクリスマスが、一大行事だというのがわかる一冊。

クリスマスカードを書き、プレゼントを一人ひとりに贈るための品物選びに費やす時間も半端ではない。
その上、クリスマスに親族・友だち・隣近所の人々を集めてパーティーをするとなると、労力は半端ではない。
呼び集める人々を選定するのも悩ましいところだ。

クリスマスの買物、これがまた只事ではない。
買物渋滞、品薄な商品、商品の取り合い、手に入れられないことによるストレス。夫婦げんか。
クリスマスワイン、ケーキ、チョコレート、チーズ等々。
はては、立派でご近所にもはずかしくない見栄えの良いクリスマスツリーを手に入れなければならない。

純粋かつ無信心な日本人のわたしには、もう気の毒でしかないクリスマスの様子である。

「スキッピングクリスマス」はそんなクリスマスに愛想をつかした税理専門の会計士ルーサーが、クリスマスをスキップしようと決めるお話。

スキップ、飛び越す、やめちゃおうというわけである。
この一大決心が引き起こす、一大狂騒曲が書かれている。

ドタバタ劇、コメディ、そしてクリスマスの心温まる物語でもある。

2016年12月15日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2016年12月15日]
カテゴリ 小説(海外)

12月、いやがおうでもクリスマスのことを想わないではいられない。
クリスマスという言葉に踊らされているわけではなく、一定の歳になってクリスマスの意味を考えるようになったということか。
身近な人を想い、感謝し、暖かい気持ちになれる日を迎えることの喜びを感じられるようになった。

今だから「クリスマスキャロル」を読んで泣くこともできた。
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吝嗇、業突張り、人情のかけらも持ち合わせないスクルージ。
彼は使用人を寒く暗い部屋で働かせ、クリスマスに働かないことに腹をたてる、心のせまい人物だ。

彼を導くクリスマスの三人の幽霊。

スクルージの子供の頃の寂しいながらも優しい親族がいた事を思い出させ、若き日の恋人を見せ、失ったものがどれだけ大きいかを知らせる過去の幽霊。

現在の幽霊は、スクルージが人々の口にのぼる時、彼がどんなに滑稽で冷血かと噂されている所を見せる。

未来の幽霊は、スクルージが死を迎えたあとも身ぐるみはがれ、それが妥当だと人々に蔑まれているその場に、彼を連れていく。

ケチで冷血で浅はかだったことに思い至り、寂しい末路をたどりたくない思いと、暖かく人を憐れむ気持ちに満たされたスクルージは、心からクリスマスを祝う人となる。
そして「スクルージこそクリスマスの祝かたを知っている人」とまで言われるようになる。

長い年月でコチコチに凍ったスクルージの心がとける瞬間は、読者を晴れやかな気持ちにさせる。

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笑って泣いて、気持ちが揺すぶられる「クリスマスキャロル」はそんな本。
映像が浮かぶような、場面ばめんの展開が鮮やかで飽きない。
クリスマスには読み返したくなる一冊である。

2016年12月1日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2016年12月1日]
カテゴリ 小説(海外)

「インクドリンカー」シリーズの第二作目。

オディロンは学校に転校してきた女の子カミラのことが気になってしかたがありません。

オディロンは「ある秘密」を抱えているため、同級生たちとも話が合わず学校に溶け込めずにいるのです。

ある時、学校で不思議なできごとが起こります。
それは、オディロンの宿題の中身(やり終えたあとの)がきれいサッパリ消えてしまったこと。

なぜ文字が消えたの?
カミラの様子もおかしいし……

そして一作目同様、カミラの後を追いかけたオディロンの身の上にふりかかったこととは。

展開がどんどん楽しくなっていく物語です。

2016年12月1日

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読書状況 読み終わった [2016年12月1日]
カテゴリ 外国語

インクを吸って生きる「インクドリンカー」のお話。

本屋の息子オディロンが、ある日店番をしていると、奇妙な男がやってきてストローを本の間にはさみこみ、インクをチューチュー吸い出します。

その男の後を追って、墓場に迷い込んだオディロン。
オディロンを待っていたのはバンパイア、血液アレルギーで血のかわりに活字を吸って生きる「インクドリンカー」だったのです。

オディロンは大の活字アレルギー、本屋の息子であるにもかかわらずです。
本を偏愛する父親に育てられた反動でしょうか。

しかし、「インクドリンカー」に遭遇してオディロンはどうなったっでしょうか?
以外な変化を遂げます……。

活字が栄養にもなって、一日中活字を吸っていられたらと思うと、少しうらやましくもあります。

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読書状況 読み終わった
カテゴリ 外国語

山の上のお宮に灯る赤い蝋燭。

その蝋燭は、人里で慈しまれ育てられた人魚の娘が、里を離れるとき、その際まで塗っていたもの。

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人魚の赤ちゃんは、人間の手で育てられるように願った母親により、宮の参道におかれます。
赤ちゃんを家に連れて帰り、大切に育てたおじいさんおばあさんに、美しく成長した人魚の娘は何か恩返しをしたいと考えます。

蝋燭を商っているおじいさんおばあさんのため、蝋燭に絵を書くことを思いつく娘。
しかし蝋燭に書かれた美しい絵が評判を呼び、同じように娘の評判もあがって、世間の人々はこの娘に大変な興味をもつのです。

やがて人買いが、おじいさんおばあさんの元を訪れて……
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人魚の想いが灯す赤い蝋燭。
人も絶え、うらびれた村の山上に灯り続ける蝋燭が哀しくもあり、恐ろしくもあります。

2016年12月15日

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読書状況 読み終わった [2016年12月15日]
カテゴリ 小説(日本)

格式高く、伝統を重んじ数々の傑出した人物を排出してきたアッシャー家。

アッシャー家の当主と旧来の親交を暖めるために、そのお屋敷にやってきた「私」が体験した恐ろしいできごとが書かれている。

沼地にたつお屋敷は何世紀にもわたって打ち捨てられたような姿、そこに住むのはアッシャーの兄妹。
暗い、寂しい。
そんなお屋敷に逗留する「私」が、嵐のふきあれるある晩に見たものとは。

エドガー・アラン・ポーの怪奇小説。
怪奇小説の古典ともいわれるだけあって、「音」「絵」ともに背後から何者かがどんどん迫ってくるような怖さがある。

2016年12月15日

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読書状況 読み終わった [2016年12月15日]
カテゴリ 小説(海外)
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