フーガはユーガ

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本棚登録 : 5027
レビュー : 586
著者 :
drickjpさん 2019年   読み終わった 

誕生日にだけ2時間に一回ずつ瞬間移動のように身体が入れ替わる双子、優我と風我。
彼らは幼少の頃から暴力を振るう父親と、無関心な母親の元で暮らすしかなかった。
彼らは成長する中で許しがたい悪と関わりを持っていく。
しかし出会うのは決して悪人だけではなく、何より優我には風我が、風我には優我がいたのだ。

伊坂作品には読んでいるだけで、どうして良いのか分からなくなるような「悪」が度々登場する。
この作品でも「体の内側にぞわぞわと虫が這うような気持ち悪さ」に私達は襲われることになる。
それでも私達は読み進める手を止めることはないだろう。
「面白い」という言葉では表せない。それでも目を背けずにいられるのは作者のさすがのバランス感覚と言うべきだろうか。
虐げられる者と、彼らが抵抗しようのない悪がいる。悪を懲らしめるヒーローはいない。しかしこの物語に絶望は似合わないのだ。

レビュー投稿日
2019年3月16日
読了日
2019年3月15日
本棚登録日
2019年3月16日
3
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