或る女 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1995年5月16日発売)
3.79
  • (44)
  • (56)
  • (66)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 809
感想 : 70
4

最初は悪女だ、とレッテルを張りながら読んだが、途中から悪女は悪女だが、こういう心の揺れ動き、思っていることとは真逆のことを言ったり行動したり、強がったり、、、その程度は別にして誰にでもあることじゃないか、と印象が変わってくる。葉子を通じて、人間の心の中にある矛盾や葛藤、感情と理性の衝突、など「意外とそういうものかもしれない」と葉子を受け入れている自分に驚く。
一方、葉子は体調の悪化とともに精神がむしばまれていく。精神を制御するためには健全な肉体が大事。いろいろな読み方ができた小説であった。長くても読む価値あり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月1日
読了日 : 2020年8月28日
本棚登録日 : 2020年8月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする