山内マリコの小説って、小気味良い文章で地方を小馬鹿にするような小説というイメージで、その小気味良いタッチで、ストーリーのついでに余計なことをゆってみて、その余計なことがおもしろい小説だと思う。インスタグラムとかみてても、そんな小説書いてるのに垢抜けきれてないところが好感度が高い。
けど、そろそろそういうのも飽きたなーと思ってたところで、メガネと放蕩娘。
小気味良い文章なのは以前のとおりで、地方を馬鹿にせず、余計なことも言わない。
いっぱい調べて、いっぱい勉強して、それで書いたのだろうなと思わせる。
一言で言うと地方のさびれた商店街を立て直す姉妹と仲間たちの話なんだけど、このタイトルのメガネは姉、放蕩娘は妹のことで、そのタイトルはちょっとイマイチだなと思う。
エッセイで好きだと言ってたように記憶しているんだけど、獅子文六とかっぽさに憧れてるんだと思う。それっぽいタイトルにしたかったんだと思うけど、なんか全然いまいち。わたしとしては、放蕩のほうだけに娘がついてるのも気に入らないし、じゃあなんてタイトルにしたら納得がいくのかわからないけど、とにかくいまいちって言いたい。
あといまいちなのは、余計なこと言わないところと、タイトルだけではなくて、ラストの始末もいまいち。
なんかやっぱりそれっぽさにあこがれているのか、丸くおさめたいのか、どうしても、めでたしめでたし、チャンチャン!って言って終わらせたいのか、雑だと思う。
と、気に入らない山内マリコの新刊だったけど、表紙の黄色と水色のしましまがかわいくてくやしい。
- 感想投稿日 : 2017年12月29日
- 読了日 : 2017年12月29日
- 本棚登録日 : 2017年12月29日
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