デスマスク (岩波新書 新赤版1341)

  • 岩波書店 (2011年11月18日発売)
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感想 : 17
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【自分のための読書メモ】
 タイトル『デスマスク』と作者の名「岡田温司」の名にひかれ、ジャケ買い。前作『グランドツアー』が面白かったので期待大。
 内容はといえば、古代ローマから近代にいたるまで、各時代において「デスマスク」が「宗教的、社会的、政治的、文化的、芸術的、あるいは人類学的に、それはいかなる役割を担ってきたのか」(pⅱ)を丁寧に追ってある。
 面白かったのは、第7章。18C末から19Cはじめの観相学、骨相学が「デスマスク」と結びつく。
 ラファーターの観相学から、チェーザレ・ロンブローゾの犯罪人類学。科学的な言説を装う決定的で差別的な言説。これがナチスドイツのホロコーストにつながる流れは、僕の大好きな高山宏の本に書いてあった。その中に、デスマスクが「格好の餌食」として取り込まれていくという指摘。これが一番の収穫。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 岩波新書(赤)
感想投稿日 : 2012年1月8日
読了日 : 2012年1月8日
本棚登録日 : 2011年12月30日

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