心身問題、クオリア、表象、志向性…心の哲学を巡る概念は、一見分かりそうで分からないものが多いような気がします。
分析哲学の本や分析哲学を使ったフィクションでは、軽い説明をしただけでこれらの概念が使われることがあり、そのたびにモヤモヤしていましたが、これですっきりしました。
(本当は分析哲学の全体像を見渡すような入門書があればいいのですが。)
本書は、教育的配慮からか、基本的なことをしつこいくらい丁寧に説明します。
心の状態(信念、欲求、感情、知覚、感覚)の説明が、最初のほうにあるのはありがたかったです。特に哲学用語としての「信念」は、一般的な用例に引きずられて、慣れるまで違和感ありますので。
また、かなりの頻度でQ&Aが差し込まれます。単に理論の裏返しにすぎない問いから
、明確な答えがでないような問いまでありました。後者については、確実なのはどこまでか慎重に答えようとする姿勢が見られ、一人で読んでいるだけなのに演習に出ているような気持ちがしました。
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- 感想投稿日 : 2022年5月8日
- 読了日 : 2022年5月8日
- 本棚登録日 : 2022年2月2日
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