ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

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本棚登録 : 5075
レビュー : 631
著者 :
たけうちりささん  未設定  読み終わった 

何年か前に見かけたときは、裏見て、急いで棚に戻して、手に取らなかったことにしたんだけど
昨日は帯見て裏読んで、最初だけって思って、表紙がまわりにバレないようにすごい反らせてよんでみた
最初から、女の人が書いたとは思えないくらいで、読んじゃいけないもの読んでる気持ちで、だけど、とめられなくて、自分がいちばん悲しかった日に、いちばん自分じゃなくなったことをおもいだして、温度をおもいだして、なきそうになった
主人公たちの視線とか光とか音しか描かれてなくても、感情が痛いほどつたわってくる
どの登場人物たちもどうしようもないほど人間らしくて、欠落してて、それでも必死で生きていて、読み終わった時にはひとりひとりをいとしく思ったし、この世界まるごと受け入れられる気がした
期待してたただの官能小説じゃなくてよかった笑、性から生への昇華って、はてなだったけど、よみおえてなんとなくわかったような でもそのリッシンベンの意味はなんなんだろう、消えちゃうと何か洗練された清いものに変わった気がするのに、15年も経てばまたついてきちゃうんだね
やっかいったらありゃしない

あんずとさいとうくんみたいな、そこまでの愛を経験できる自信がないなあ
まわりからどう思われたってお互いがいればいいのに、一緒にいることはかなわないし、かなわないってわかってるけど後戻りなんてできなくて、まわりから石をなげられることになって、それがすごくつらくて、自分だけじゃなく家族や友達にも迷惑かけているのがいやで、どれだけつらかったんだろう、とおもう
それなのに自分の周りの人は自分を諦めてくれないし、もうやになっちゃうよなあ
そんなときにわたしたちは空をみあげるんだ

どうか今日もあのひとが寒い思いをしませんように
なんてそんな言葉のやさしさがあったかくてつらくなった
読み終えたらここらへんの、あかりがついてるおうちの家族と、そのとなりの家族と、その友達くらいまで、みんな幸せになってほしいとかそんなこと思える本

レビュー投稿日
2018年5月16日
読了日
2018年5月16日
本棚登録日
2018年5月15日
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