プロ法律家のクレーマー対応術 (PHP新書 522)

3.72
  • (13)
  • (27)
  • (15)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 215
レビュー : 28
著者 :
eatmorefishさん ビジネス   読み終わった 

===引用ここから===
このように、悪質クレーマーは、いつ我々の前に出現するかわからず、運悪く取り憑かれれば、我々の人生を狂わすほどの脅威なのです。
===引用ここまで===

弁護士横山雅文氏の著書。顧問先企業の民事介入暴力、悪質クレーム対応の経験から、悪質クレーマーを分析したとのことで、クレーマーの分類・判別・対処方法まですっきりと整理されています。

良いことを教わったなというポイントをいくつか。

・悪質クレーマー判断ポイント。①欠陥・瑕疵ないし過失の存否②損害の存否③欠陥・瑕疵ないし過失と損害の間の相当因果関係④損害と要求との関連性⑤クレーマーの行為態様
・『欠陥』製品が通常有すべき安全性を欠いていること。『瑕疵』製品が通常有すべき機能を欠いていること。『過失』損害の発生について注意義務違反があること
・悪質クレーマーは4つのタイプに分ける。①性格的問題クレーマー②精神的問題クレーマー。③常習的悪質クレーマー④反社会的悪質クレーマー
・交渉窓口を弁護士に移管することも効果あり。
・反社会的勢力は人の弱みにつけこむ。決して「秘密を共有しない」。
・反社会的勢力の行動には経済的合理性がある。企業からお金が出ないことを悟らせるため、弁護士に早急に相談し、法的手段(仮処分、刑事告訴)をとることも検討。
・念書、確認書など種類の如何を問わず、示談書のように会社の決済を経て最終的に正式に作成される文書以外、絶対に、交渉の場で文書を作成することに同意しない。裁判において強力な証拠能力をもってしまう。

行政窓口や企業のお客様相談室などでお仕事をされている方は、日々こういった悪質クレームに対応されていて、さぞかし大変かと存じます。長引くクレーム対応で力尽き、うつ状態になってしまう方も多いとのこと。長期的には、社員が健康で長く仕事できる環境を作ることに経済合理性がありますので、一時的な費用をケチらず速やかに弁護士を活用すること、また、悪質クレームに対して確固たる社内制度設計をするよう、経営層の方々にもご認識いただきたいと思いました。

実例に基づいているからか、どのケースもよくあるなあと思いながら読みました。担当者だけでなく、経営層や、クレーム担当者以外の方にも興味深く読める一冊です。

レビュー投稿日
2018年6月2日
読了日
2018年6月2日
本棚登録日
2018年6月2日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『プロ法律家のクレーマー対応術 (PHP新...』のレビューをもっとみる

『プロ法律家のクレーマー対応術 (PHP新書 522)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする