「人工超知能」 -生命と機械の間にあるもの-

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  • 秀和システム (2017年7月26日発売)
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★2017年10月1日読了『人工超知能 生命と機械の間にあるもの』井上智洋著 評価B+

最近のAIの進化は目に見えて加速していることが気になり、手に取ってみた。
なぜ、近年の人工知能の開発が加速しているのか、それは深層学習Deep Learningが発展し、プログラムが人間に教わることなく、物体の特徴を見いだし、生物の眼に相当するイメージセンサーを獲得。その結果、特徴量という特徴空間を形作ることが出来るようになって来たことが大きい。

これからの人工知能の方向性には、全脳エミュレーション方式という脳の神経系のネットワーク構造のスキャンなどによってコンピューターに再現する方法と全脳アーキテクチャーという人間が人為的に設計する部分を残しつつ、海馬/基底核/大脳新皮質の機能を機械学習器として再現して結合していく方法がある。

ヒト・コネクトーム:人間の神経回路地図は21世紀後半にならないと解明が出来ない可能性。そのヒトコネクトームのマインドアップローディングが可能となれば人間意識の再現ができるのか?そこには「身心問題」があり、意識と身体という根源的な問題が存在する。

ニューラルネットワークAIは人間の脳は超えられるか?
汎用的な強化学習能力とメタ思考力が思考パターンを生成する。

2045年問題:AIが人々の仕事を奪う技術的失業と機械の叛乱の可能性
AIに知性は備えられても、感情・意志は人間が実装しない限り備わらない。
しかし、悪意のある者が殺戮専門ロボットを作り出す懸念の方が高い。

アシモフの I・ROBOTのロボット工学三原則
1.ロボットは人間に危害を加えてはならない。
2.ロボットは人間の命令に従わなければならない。
3.ロボットは自らの存在を護らなくてはならない。
1-3の優先順位が非常に重要。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2017年10月21日
読了日 : 2017年10月4日
本棚登録日 : 2017年10月4日

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