三つ編み

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レビュー : 133
制作 : 髙崎順子 
ももチョビママさん  未設定  読み終わった 

3つの大陸の3人の女性が今の状況に甘んじ屈するのでなく、強い意志を持って人生を切り開き、変えようとした物語

畳み掛けるようなリズミカルな短い文章が、強い意志を表しているようで読んでいて心地よかった

3人とも生まれつき置かれた身分や不運や試練に見舞われながらも、それを乗り越えようと奮闘する
娘に自分と同じ思いはさせないと誓うスミタ
娘のため、自分を必要としている息子たちのため、消えたりしない、諦めないと戦いに戻る決心をするサラ
家族や工場の従業員のために生き残りをかけて、変化を選択するジュリア

なかでもインドのスミタの置かれた状況には、言葉が出なかった
カースト制の外、不可触民(ダリット)であるスミタは、人と言葉を交わすことはおろか姿をさらすことも許されない人間以下の身分とされる
この世の中にこんな身分に置かれた人がいるとは全く知らなかった 衝撃だった

初めは、インドのスミタ、イタリアのジュリア、カナダのサラの人生が交互に並行して進行していく
何の関係もないかのように見えたのに、後半になって3人の人生がしっかり交差し、三つ編みのように固く編まれていった
見事な構成に唸った
それも女性の命とされる髪の毛を通してー
なるほど、それでタイトルが「三つ編み」なのかと腑に落ちる

著者が「 男性に闘いを挑むつもりはありません。闘う相手はまず社会」と語っているように、スミタの夫のナガラジャンやジュリアに国外へと目を向けさせた恋人のカマル、サラの家庭を支えた家政夫のマジック・ロンなど、主人公の女性たちを応援するパートナーやサポーターとして男性を登場させているのも好感が持てた
男vs女では、何も前進はないと思うから

そして、3人のこれからの人生を暗示しているかのような希望の光が見えるラストに拍手を贈りたくなった

レビュー投稿日
2019年10月10日
読了日
2019年10月10日
本棚登録日
2019年10月8日
21
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