自分が亡くなった後の家族を思い、会社を思い、ひたすら念じ、クスノキに託す ( 預念 )
その思いを何とか受け止めようとひたすら念じる( 受念 )
人間生きていく中で、何かにすがりたい、祈りたいということは多々ある。そんな心の拠り所となる大きなクスノキ、人間の限界をはるかに超えた大きな力を感じる
「祈る」と「念じる」の違いも分かった気がする
生前に、言葉で直接伝えることができたら、早く確実であろうという気がするが、複雑な世情、複雑な家族関係なかなかそう簡単にはいかないのだろうか
玲斗以外、血縁者がいなくなってしまった千舟と叔母の存在も知らなかった玲斗がぎこちないながらも次第に心を通わせ、心の内を明かし、相手を思いやっていく過程が、読んでいて、微笑ましくうれしくなった
叔母千舟の業績を理解し、その中で自分の置かれている立場も理解し、『クスノキの番人』として成長していく玲斗は、これからもいろんな人の思いに寄り添いながらも、詮索することなく、その念が繋がるように静かに力を尽くすことだろう
でも、でも、東野圭吾さんの作品では、私はやっぱり加賀恭一郎シリーズの方が好きだな
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年7月6日
- 読了日 : 2020年7月5日
- 本棚登録日 : 2020年7月3日
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