るり姉

著者 :
  • 双葉社 (2009年4月15日発売)
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本棚登録 : 389
感想 : 86
5


椰月美智子さん、「しずかな日々」に続いて2冊目
これもまた不思議な魅力を持った本だった

るり姉を取りまく姪のさつき、みやこ、みのりの三姉妹
るりこの姉であり三姉妹の母親であるけいこ、るりこの夫のカイカイこと開人の五人の視点でそれぞれの章が語られる

第一章は姪のさつきから見たるり姉が語られる
自由奔放、天真爛漫、3人の姪たちのことを誰よりも分かってくれ、味方になってくれる素敵なおばさん
なのだがおばさんではない、るり姉なのだ
しかし、次第に不穏な胸がザワザワするような雰囲気が漂い始め、読者にも、もしかしてるり姉は・・・と不安を抱えたまま終わり

第二章はるり姉の姉けいこの視点、一章から少し時間を巻き戻し春
という具合に章を追うごとに時間は遡っていく

そして、第五章でいきなり四年後となり、第一章のもやもやが一気に解消されるという見事な構成
るり姉のことをかいているようでありながら、五人がみんな成長しているのである

読書をしていると、いろんな登場人物に出会うことができる
表面的にはすごく天真爛漫で明るいのに、どこかいつも寂しげな感じがして気になって仕方がないという人物に出会うことがある
るり姉もそんな感じがした 誰が見ても自由奔放、天真爛漫なんだけど、そんな言葉では語りきれない何か複雑なものを感じた

そこがるり姉の魅力で、みんなが大好きな理由なのかもしれない
現実にるり姉みたいな子が隣りにいたら、何を好き勝手言ってるのと呆れたり、年をわきまえてと分別くさいことを言いたくなるだろう

自分には絶対になれない無理なキャラクターだけに、羨ましくもあり憧れたくもなるるり姉なのである

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月3日
読了日 : 2023年3月3日
本棚登録日 : 2023年2月28日

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