泡をたたき割る人魚は

著者 :
  • 講談社 (2012年7月6日発売)
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本棚登録 : 167
感想 : 30
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ワニのような形の島が舞台.右半分は観光や漁業で栄え、左半分は沼地が広がっていた.主人公の薫は左半分に住み、島中をピタニィの配達をしている.絵描きの瀬戸や魚屋の村井と恋愛と友だちの間の関係をつむぐ毎日.ある日、願いを叶えてくれるという今川焼き屋の老女のもとへ行き、「魚になりたい」ことを告げる。老女は薫の脚と、配達に使っていた原チャリと引き換えに、薫を人魚にした.

不思議な世界観.比喩の仕方が独特.
海と砂浜の境目、上半身と下半身の境目、恋人と友人の境目、人と魚の境目、、
さまざまなところに境目があるけれど、それはもともとはっきりしているものなのか、はっきりさせられるものなのか、限りなく同じものなのか.
薫は泡をたたき割る.恋を望みながらも恋を嫌悪しているのかなぁ、と思った.最後にはワニによって上と下が別々になって魚になってしまう.外界は境界を許容しない.なぜ境目ではダメなのか、と訴える声が聞こえる気がする.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 書籍
感想投稿日 : 2015年8月23日
読了日 : 2015年8月23日
本棚登録日 : 2014年10月16日

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