医療とは何か ---現場で根本問題を解きほぐす (河出ブックス)

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レビュー : 9
著者 :
edgeofguitarさん 医療・健康   読み終わった 

哲学的な部分が多く読みやすい本ではないと思いますが、
救急医からの視点が緊迫した現場の実態が見えました。
こんな状況で「たらいまわし」なんて言われたらたまったもんじゃない。

医療が不確実なことへの認識をどう理解するか。
正しい判断は不可能であり、「正しいと確信する判断」に過ぎない。
まだわかりづらいが、受験にたとえれば、
医者は試験官ではなく、同じ受験生。実態は優秀な受験生ぐらい。
間違えもする。なかなかわかりやすい例えだと思いました。

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病気の3つの構成要素
1.体の不都合があり
2.不条理を感じて
3.自己了解の変様が迫られる
老いとは違う。不都合が生じた自分の身体と向き合うこと。

医学のリスクとは、医学そのものが完全な知識になりえないことに起因。
さらに人為的ミスをあわせたものが医療の不確実性

20世紀前半は「正しい判断」が可能でそれを追う時代
20世紀後半は進歩するほど不確実さがはっきりした時代
(システム上の対応のまずさや副作用など)

「正しい判断」は診察の過程では医療者も患者も得ることができない。
結果からしかわからない。

入試試験に例えれば
受験生と試験官(解答がわかる)
患者:受験生 医者:試験官 ではなく
患者も医者も受験生

正しい判断はできないが「正しいと確信する判断」は可能である。

・確立の限界
私は治るでしょうか。と聞かれた場合(治療率90%)
1.大丈夫ですあなたは治ります
2.治るか治らないかは治療してみないとわかりません。医療は不確実です。
3.治療率90%だから、大丈夫でしょう
4.私は治療法Aが妥当だと確信しています
以下、説明
1.はウソになる。
2.は医者としての姿勢に問題あり。当事者意識を欠いて無責任。
3.わかったようでわからない。

レビュー投稿日
2012年10月25日
読了日
2012年10月24日
本棚登録日
2012年10月22日
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