ノルウェー大工の日常を描いた作品、著者のオーレ・トシュテンセン氏は現役の職人さん。大工の日記なんて面白いのかと半信半疑だったが、これが意外なほど面白い。
トシュテンセン氏は個人経営の公務店を営んでおり、入札で得た仕事を下請けの仲間たちと共同で施工している。本作では彼がオスロ市内で実際に行った、共同住宅の屋根裏改築工事を通じて、作業の工程や仕事に対する想いなどを綴っている。
個人経営という事もあり、施主に対する見積もり作成などの事務仕事や、材料搬入や職人のスケジュール管理など、基本的には一人で行わなければならない。大工の仕事というのは、自分の持っている能力や技術を最大限に発揮し顧客の期待に応えるという、まさに労働の原点ともいえる仕事なのだと感じた。
一連の工事の様子を読んで、トシュテンセン氏の仕事に対する真摯な姿勢とスマートな考え方、そして顧客や仕事仲間への細やかな気配りにとても感銘を受けた。もし今後家を改築する機会があるならば、こんな職人さんへお願いしたいなと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年3月26日
- 読了日 : 2018年3月25日
- 本棚登録日 : 2017年12月2日
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