自選詩集 僕が守る (角川文庫 き 9-110)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年4月23日発売)
3.50
  • (4)
  • (10)
  • (7)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 122
感想 : 7
4

再読になります。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
また、同じ夢をみました。不思議だね、もう相当昔のことなのに。
貴方はいつも優しくて、強がっていたけれど本当は繊細で、私はいつからかそれをちゃんと知っていました。
夢で、食べなよと差し出してくれたビスケット。これを私が食べたら貴方が困るじゃない、貴方の気遣いと優しさに、私は本音も言えずに、でもいつか貴方の為にとポケットに大切にそれをしまいました。しまい込んだのは、想い続けてきた感情だったのだと気付いた時には目が覚めていました。もう、二度と会えることのない人。もし何処かですれ違ったとしても、私達はお互いの一番大切なものを守る為、気付かぬふりして通り過ぎるだろう。
いつの間にか、時が経ちビスケットは朽ち果て砕けていた。
孤独があるから幸福を感じられます。一瞬の煌めきだから美しい、私はいつもそう感じています。繰り返し。でも人はそうやって誰かと孤独と幸福を分かち合い、人生を歩んでいくのでしょう。
苦しい思いをして生きてきた。死にたい思いをして生きてきた。それでも生きている私は自分を弱くて強いと思いたい。でも最近わかりました。本当に強いのは、それを全て受け止め一緒に生きてくれる人なのだと。
もう一度、夢で会って伝えたかった。
私が貴方を守ります。
だけれど、私は貴方に守られていました、と。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年2月13日
読了日 : 2019年2月13日
本棚登録日 : 2019年2月13日

みんなの感想をみる

ツイートする