菫の花が今日も咲くから私も笑う。貴方も私も、寂しいことなどあるものか。誠実に、愛を持って、小さくてもささやかな幸せを大切に生きている。そんな、可憐でも強き花。
何事も詰め込み過ぎ頑張り過ぎてしまう風潮が現代人の当たり前。まるで都会の駅の中、改札口、飲み込まれていく人混みに目眩を覚える様に。だから「余白は大切」。ほどほどに。ぼちぼちで。いつでも胸に閉まっておきたい。閉まっておいて欲しい。そんなおまじない。
その美しい棺桶に、貴方は何を入れて埋めるのでしょう。悲しみ、思い出、病気、艱苦、忘れたいことは沢山あった。逃れたいことは入り切らないほどある。しかし、それを背負っていくのも人間なのだと思います。その苦しみを考えると涙が止まらないこともあります。家族、元恋人、なんでもない人。ずっと言いたかったこと、あの日言ってしまったこと。
まだ埋められないもの、それが、生きている証。
私という人間が、生きている証。
私がいつかそれを埋めた時、そこに一輪の菫の花を植えて下さい。
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- 感想投稿日 : 2018年10月9日
- 読了日 : 2018年10月9日
- 本棚登録日 : 2018年10月9日
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